シビエ・旨いもの 「シカのフォンドボーシチュー」
シビエと言う事になるのであるが。 エゾ鹿のシチューである。 先ずはお断りをしておこう。我が家では、レストランみたいに本格的な出汁などをとれないので、SBのフォンドボー・ビーフシチューのもとを使うのではあるが。 しかし、肉などは俺やら友達やらが獲った物であるので、一般家庭よりは本格的と言う事になるのかもしれない。 できれば、頭や首などを1発で仕留めて、ただちに放血を行い、内臓を抜き、肉が冷却されて居ればよろしいのであるが、そこまで神経を使う仲間も滅多にいないので、弾はどてッパラの真ん中、内臓ははみ出し、冷却なんぞは自然のまま、血などは鉄砲の弾の当たったところから出てるわい!と言う感じのものが多い。 薀蓄を語り、お金をとり客人に饗すのであれば、相当な神経を使い、獲物も猟師も選ばなくてはならないだろうし、施設も必要になってくるのだが、そんな事はどうでもいいのである。 命あるものから命を頂くのである。 無駄には出来ない。 しかし、美味しく食べるための惜しみない工夫と努力は必要なのである。 さて、昨年末頃、北海道に出向いた近所の猟仲間からまるっと1匹のシカが送られてきたわけで、そいつを解体し、美味しく頂ける処置をした。 半分はハム様の燻製。 半分は精肉してブロックにしてあるわけで、100リットルの冷凍庫は、クマの肉と鹿の肉で満タンである。 今年は雪が多く、ヤマドリを獲れる状況でないから、ヤマドリが入っていない分若干の余裕があるかもしれない。 さて、本題。 シカのシチューであるが。 冷凍庫から肉をとり出し、解凍するのである。 放血が甘いので、更に薄い塩水に漬けて血を極力抜き去るのである。 放血が甘いと、フライパンで焼くときなどにアワブクだらけになるのである。 そいつを一口大に切る訳である。今回はモモ肉なのだ。 人参、玉ねぎ、ジャガイモと、今回はキャベツも投入。 それぞれ一口大に切り、ジャガイモ以外は油で炒める。 ほんのりと焦げ目が出来るくらいの炒め塩梅が、ビーフシチュウモドキにはよく合うのである。何といっても風味が増す。 野菜を圧力釜に投入し、そのフライパンで今度は切った肉を焼く。 この時、下味として塩、コショーを軽くするのである。 強火で、外側に焦げ目が出来るようにガシガシ焼くのである。 中まで火が通る必要はない。 焼きあがったら、そいつも圧力釜に投入。 そしたら圧力釜に分量の水を入れ、ホールトマトの一缶を入れちゃう。 ふたをして、点火。 シュッシュッと言ってきたら火を弱めて15分のタイマーをセットなのである。 その間に、ジャガイモを別の鍋で茹でるのである。 一緒に圧力釜に入れると溶けてなくなってしまうからである。 ここらへんは、奥様方であれば常識の事と推察するのである。 さて、15分たったら・・・・ 火を止めて、圧力釜の蓋を開ける算段となる。 よ~く圧力を抜いてあげなければならない。 湯気も大量に出てくる。 よくこいつを使って料理をするのだが、開蓋の儀にはいつも緊張するのである。 どうと言う事はないのであるが、火を点けている最中から、もしや爆発したらどうしよう・・・などと恐ろしげな結末を考えるものだからいかんのである。 で、何だっけ?? あ~、蓋を開ける訳で、開けたら直ちにステンレスやホーローの鍋に移し替えるのである。 トマトが入っているので、アルミの圧力釜は気を付けなければならないのである。 トマトの酸で鍋が傷むので、オイラは直ちに移し替えるのである。 そんで、そこへビーフシチューのルーを投入、ジャガイモも投入。 追記;そうそう、家ではここで赤だし(赤味噌)を適量投入するのである。あのコクと旨味はビーフシチュウ系になかなかよくマッチするのである。 グツグツと弱火で、薪ストーブの上が良いね、で、20分程。 さあ、出来上がり。 ルウを入れる前でも、結構ないい味が出ていて、塩と胡椒、赤ワインでもあれば結構なシチューになるだろうけれど、赤ワインがないし、鹿の骨もない。なので今回は仔牛の骨の出汁な訳である。 お皿に盛ればそういう塩梅である。 ンフッ♪ 不味いはずはなかろう。 誰に出したっていけるはずだ。 ワインで楽しみたいところだが、ご飯と焼酎でやっつけるのである。 チビ助たちは、やっぱりカレーみたいにご飯を入れて混ぜて食べちゃうのである。 うちでは、おかずだけ食べると言う事を禁止しているので、オカズを食べたい時は必ずご飯を食べなければいけないと決めている。 すると、こういう旨いオカズの時は、動けなくなるまで喰うのである。 ご飯を何倍でもお代わりして、そして食い込む。 窯の米はなくなり、鍋のシチューもあっという間になくなってしまうのである。 で、晩酌をしてた俺は・・・・・ ・・・・・・・え(-_-;)・・・・ え~~~~(-_-;) (゜o゜) ない!!! 味見して、写真撮っただけで・・・・・ そんな事もあるもんだ。
2012.02.08