ハチ蜜の森キャンドルからお知らせ

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環境省は「陸生生物にも農薬登録保留基準を設定する方向で検討を始める」という方針を打ち出しました。野生のミツバチやスズメも減っています。パブリックコメントを募集していたので、以前に書いた作文を抜粋して、12月12日に提出しました。農薬登録保留基準というのは、農薬を登録(承認)したり、承認し続けるかどうか再評価したりするとき、環境の面から問題がないかを判断する基準のことです。

提出した全文は以下です。

みなさんの周りにスズメはいますか。私の家には、長年必ず巣を作る場所が三ヶ所ありましたが、数年前から作らなくなりました。間違いなくスズメは激減しています。

ミツバチはいますか。このあたりでは、野生種のニホンミツバチは山にいますが、人里では随分減ったように感じます。近所の神社に長年営巣していた群れもいなくなりました。

養蜂家も、ミツバチを飼うのが大変な時代になりました。私の住む朝日町には、西村山郡内では最も多い10人程の養蜂家がいました。ところが、10年程前からやめる方が相次ぎ、きちんと飼育できている養蜂家は、うちの実家を含め奥山で飼育する専業養蜂家2軒と、自宅で50年以上飼っているベテランの方と、たった3人になってしまいました。そのベテランの方も、近頃はたびたび蜂を買っています。養蜂家の間では「蜂飼いではなく蜂買いになってしまった」と笑い話にならない洒落が飛び交っています。

いったい何が起こっているのでしょう?
私も養蜂家仲間も、農薬の影響だと思っています。ネオニコチノイド系農薬が大量に使われるようになるにつれ、スズメもミツバチも激減したように思うのです。山形人の好物のイナゴもいなくなりましたし、カブトムシやクワガタ、アゲハチョウ、カマキリなど、子供に人気の大型昆虫も人里ではめったに見かけなくなりました。

農薬のメカニズムが変わったのです。以前の農薬は虫にかけて殺していましたが、ネオニコチノイド系農薬は、それに加え、あらかじめ農産物に吸わせておいて守るしくみになったのです。農産物そのものが殺虫剤になっていると言っても過言ではありません。しかも残効性が高いので年中効いているらしいのです。国は農作物の農薬残留について、国が認めた基準値内であれば許しています。

何が起こっているのか、具体的に水田で考えてみます。夏、このあたりでは、花が咲く前にラジコンヘリで防除が行われます。やはりネオニコチノイド系農薬を使っています。すると、稲は農薬を吸っている状態でまもなく花を咲かせます。風媒花なので蜜は出しませんが、ミツバチやハナバチ類は花粉を取りに行きます。花粉は幼虫たちの餌です。

しかし、その花粉にはネオニコチノイド系農薬の神経毒が含まれています。次世代の幼虫たちは脳を破壊されて育たなくなり、しだいに群れは小さくなります。成虫はすぐに大量に死なないので被害が見えづらく、気づいた時には手遅れになってしまうのです。

そして、花が終わると、稲はまもなく穂をつけます。穂にはまだ硬い米ではなく、スズメの大好物の米汁が入っています。しかし、その米汁の中にも神経毒が入っているのです。これがスズメを激減させた理由ではないでしょうか。もうカカシは見かけなくなりました。

同じことが、水田だけでなく全国の畑や家庭菜園で起こっていると思うのです。

EU諸国では、2013年よりネオニコチノイド系農薬の使用を暫定禁止とし、今年はついに、3種類(イミダクロブリド、クロチアニジン、チアメトキサム)の農薬について使用を禁止しました。しかし、日本は逆に農薬残留基準値を引き上げて大量使用を促しているかのごとくです。

怖いのは、私たちもミツバチやスズメが死ぬ農薬入りの農産物を食べているのです。小さな胎児をおなかで育てているお母さんも食べています。脳を破壊するネオニコチノイド系農薬が、私たち人間の心や体を壊しているという考え方があります。

実際ここ15年で、精神疾患の患者数は、横ばいだった200万人から400万人に倍増しています。うつ病が激増し、次世代を支える若者の自殺率は先進国で世界1位です。子供達の発達障害は15人に1人という大変高い発症率です。

ミツバチと同じことが、人間界ですでに始まっているのではないでしょうか。
2018.12.12:hmc-event:count(2,260):[メモ/お知らせ]
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