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ミニチュアダックスフンドのももこは、とても性格の好いワンコだが、ひとつだけとても強情になることがある。
それは何かお気に入りをみつけて確保したときで、わたしや奥方の靴下や下着、ちょっとした小物などが多い。
そうなると、食べ物に係わる以外の事には、いつものんびりしているのが、こそこそ人を窺うような目つきになる。
そして執着のつよい時は、あまり眠らずに守っていることさえある。
何時もは、3、4時間もすれば飽きてしまうので、わたしは大体放っておくが、時には奥方が大事にしているものなどで、どうしても取り上げなければならないものもある。
そういう時は、まず大声で人間に話すように、それはお母さんの大事なもので、ももちゃんの玩具ではない、ダメです、と何回か繰り返し演説する。
それから、熱いものを持つ時に使うミトンの手袋をして、ももこに強制執行をする。
一瞬だけうなって噛むしぐさをすることもあるが、取り上げてしまえばもうそれまでである。

しかしこれが、ヨークシャーテリアのななこに対してはももこの態度が全然違う。
ななこは何時もももこを気にして、ももこの行動を真似ているから、ももこがお気に入りを確保すると、ななこはもうそれが欲しくってしょうがない。
けれど、ももこの権威に一目置いているので、真っ直ぐには取りに行かず、あからさまな関心を示しながら、ももこの様子を窺っている。
おねだりの甘えた泣き声をたてたりもする。
そしてちょっとしたももこの油断を見透かして、素早く掠め取って逃げるのだが、さて、そこで、ももこは、別に何の反応もしないのである。
いつも通りのトロンとした目で、ただ、ふーんと見ている。
シメシメという感じではしゃいでるななこを横目に見ながら、わたしと奥方は、ドウイウコトナンダロウネとももこの不思議を考えている。



2007.11.01:higetono:count(1,485):[メモ/わんこ]
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