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小説家の佐藤愛子が『犬は犬らしく』という本を出している。
本屋で立ち読みをしてみた。きっと私のような、犬を我が子のように可愛がっている不心得者が、叱られているだろうと思って気になったからだ。
佐藤愛子は佐藤愛子らしく叱っていた。

けれど首をすくめる気分にはならなかった。厳しくしかられようとも、この気持ちは直らない、『惚れたってことが運の尽き』とでもいう他ない状態だからだ。

家の居間で不心得者がソファーに横になると、お嬢さんたちがやって来る。ヨークシャーテリアのななこは、私の左肩に小さな顔を乗せて寄り添う。ミニチュアダックスフンドのももこは、腰のあたりに体を乗せて、それぞれ、そこを寛ぎの定位置としている。ももこがいる位置は、二年前ななこが家に来る前から変わらない。

ももこが四歳になったころ、いっしょに転寝をしていて夢を見た。

ももこが保育園に行きたいと言う。 アイコンタクトでそう言っているのが分かった。 奥方が駈けずりまわって、入園の手続きをとった。 保育園に行くときに被る帽子や、バッグや上着を見せると、大喜びで立つようにして抱きついてくる。 「よかった、よかった」と頭を撫でてやると、顔中なめまわして嬉しさを爆発させる。 奥方はお返事の練習をさせようと言う。 「*年保育、ひまわり組、ももこさん」「わん」 二度くらいは真面目に練習をするが、ももこは嬉しさが我慢できず、はしゃいで手を甘嚙みする。 「ひまわり組のももこさん、ひまわり組のももこさん」奥方も気分をたかぶらせて、いっしょにはしゃいでいる。 わくわくした日が何日か過ぎて、ももこが初めて保育園に行く朝が来た。 ももこに青い上着を着せて、黄色い帽子を被せ登園の身支度をさせてみる。 なんだか似合わないなと思うが、かわいそうで言えない。 ももこは緊張しているのか、ちょっと困ったような表情だ。 ご飯をもらうときもこんな顔つきだなと思う。 近所の園児たちが迎えに来た。 ももこは脚が短いので、バッグをひきずって行く。 奥方が気になるから隠れてついてってみるね、といって少し間を空けて出かけていく。 ・・・・・そこで目が覚めた。

奥方に夢のことを話すと、お馬鹿な亭主は大笑いをされて、近所の友達にも報告されてしまった。

『痴人、夢を語る』という言葉がある。不心得者から痴人に成り上がって、先行きが思いやられる、新年ブログ初めの作文になった。

2006.01.02:higetono:count(1,519):[メモ/わんこ]
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