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レーニンに始まる
10月末、小泉内閣の改造があった。大臣の顔ぶれについて、いろいろな論評があったが、誰も指摘しなかったことをひとつ挙げる。
大臣に禿げがいない。
ソヴィエットのアフガニスタン侵略を予測した大蔵雄之助は、彼の国の政権が
禿げ(レーニン)→蓬髪(スターリン)
禿げ(フルシチョフ)→蓬髪(ブレジネフ)
禿げ(アンドロポフ)→蓬髪(チェルネンコ)
禿げ(ゴルバチョフ)→蓬髪(エリツイン)
禿げ(プーチン)→?
と推移する法則をも、発見指摘している。だから、禿げであるかいなかが政治的に重要である、ということもある。
レーニンに始まる政権の振り子は、禿と蓬髪の間を規則的に行き来した。しかし、レーニンに始まる前衛党は、ロシアに建てられた哲学国家の、無頼漢として振舞った。
人類の未来を僭称する共産主義が実現したのは、帝政時代のものをさらに過酷にした、第二次農奴制とでも形容する他ない体制だった。
打ちひしがれた人びとの心が、『おまえは今日死ね、おれはともかく生き延びる』を実行するしかなかったとき、『民を思い、国を憂える』まっとうな政治の意識は、痛々しいミハイル皇帝のような姿で現れる他なかった。今の言葉でいえばトンデモ本の内容にも見える、『民を思い、国を憂えた』言動は嘲笑され、こづきまわされ、収容所群島ルビヤンカ監獄に流嫡する。
しかしこのミハイル皇帝の考えは、帝位を括弧で括ってみれば、一市民として実にまっとうなのである。http://lavo.jp/higetono/lavo?p=log&lid=10890 参照ください。
こんなこともあるのだ、と、私は自分の足下を見ながら思う。
こんなこともあるから、日本人は憲法を作り直そうという時がきても、天皇制との同居を手放せないのだろうか。兵もなく従者もない皇帝だけがまっとうである、こんなこともあるのだからと。
2005.12.03:
higetono
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