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事務所を整理していて、書類棚の中に古いアルバムをみつけた。
アルバムのなかの写真には、白いチルデンセーターを着たわたしがいた。
社員がまだ八人だった頃、みんなで那須へバーベキューをしに行ったときの写真だった。
紅葉した山々を背景に、食材を運びながら、若いわたしが手を振っている。
河原を通りぬける秋風に吹かれて、長めのわたしの髪が乱れていた。

その感情は不意に来た。
なぜか、豊な髪をそなえた写真の自分が、恥かしかった。
事務所の中にわたしは一人で、誰もいなかった。
だからこれは、他人に対して恥かしいというのではなく
現在は僧形の頭となったわたしが、若いわたしの風に乱れる髪を見て、
なんとも、困った感情に立ちつくしていたのだ。

なにゆゑに こゝろかくは羞(は)ぢらふ
禿愚への道も、ただまっすぐではないのである。



2005.10.22:higetono:count(1,039):[メモ/やれやれ]
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