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(この記事は、辰つぁんのブログ『山形夢横丁』の記事『シネマ旭閉館』にコメントとして投稿したものです。)http://yamagatayumeyokotyou.ameblo.jp/yamagatayumeyokotyou/entry-10059187404.html



わたしが『シネマ旭』で、初めて観た映画は『穢れなき悪戯』 、
最後に観た映画は『ドラゴン怒りの鉄拳』だったと思います。


高校生のとき『シネマ旭』に、友達と3人でゴダール監督の『軽蔑』という映画を観に行きました。
背伸びしてたんですね。
映画を観た後、旅籠町にあった西屋という喫茶店で、あれこれ感想を話しあいました。

主人公の映画監督が、ある日突然、
軽蔑という感情で妻から離反されることになるのに、
それほど理由はなく、
解決の方策もないけれど、
誰にでも起こりうる普遍的な出来事で、
それは、
人間という相対的な条件に縛られているものの悲哀を、
映画は描いてるのだろう、
という感想のまとめになりました。

いや、なかなかお利口さんなことを考えていたもんです。

実は、そういう感想のまとめに導いた友達は、現在、文芸評論家になっている加藤典洋さんで、高校生時代自分たちで作っていた雑誌に、映画評として書いて載せています。
振り返ってみれば、加藤典洋さんの初めての評論文です。
それは当時の、山形新聞の地域の文芸時評などにもとり上げられ、ちゃんと評価されました。
評者は山形北高の先生をしていた方でした。鑑定眼があったんですね。

わたしはずっと後まで、加藤さんは今評論を書いているけど、
やはり将来は小説家になるのだろう、と思っていました。
ああ、加藤さんの小説も読んでみたかったな、と今でも時々思います。


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