higetono;LaBlog

higetono;LaBlog
ログイン

事務所を整理していて、書類棚の中に古いアルバムをみつけた。
アルバムのなかの写真には、白いチルデンセーターを着たわたしがいた。
社員がまだ八人だった頃、みんなで那須へバーベキューをしに行ったときの写真だった。
紅葉した山々を背景に、食材を運びながら、若いわたしが手を振っている。
河原を通りぬける秋風に吹かれて、長めのわたしの髪が乱れていた。

その感情は不意に来た。
なぜか、豊な髪をそなえた写真の自分が、恥かしかった。
事務所の中にわたしは一人で、誰もいなかった。
だからこれは、他人に対して恥かしいというのではなく
現在は僧形の頭となったわたしが、若いわたしの風に乱れる髪を見て、
なんとも、困った感情に立ちつくしていたのだ。

なにゆゑに こゝろかくは羞(は)ぢらふ
禿愚への道も、ただまっすぐではないのである。



2005.10.22:higetono:count(1,060):[メモ/やれやれ]
copyright higetono
powered by samidare
▼この記事へのコメントはこちら

名前

件名

本文

URL

画像

編集/削除用パスワード
※半角英数字4文字で自由に入力下さい。


手動入力確認イメージ
※イメージ内の文字を小文字の半角英字で入力して下さい。



 ※ 管理者の承認後、反映されます。
powered by samidare