カシラーナカ

 消防演習で2列横隊に整列したとき、左右に一人ずつ基準となるべき人間が配置される。

 彼らは「キョード」と呼ばれていたが、それは私の聞き間違い(or指揮者の滑舌が悪い)で、正確には「キョードー」らしい。

 漢字で書くと「嚮導」。生まれて初めて見る漢字である。漢字の意味も含め、どんな役割なのか、どなたか知っている人がいたら教えてほしい。

 「キョードー」の役目は、班長以上の幹部が務めるようだが、そもそも年に2〜3回の消防演習で出番があるかないかの端役なので、はっきり言って動作を覚えていられないのだ。それゆえ動作に自信がなくギクシャクした動きになりがちだ。

 これがホントの「キョードー(挙動)不審」。なんつって…。


 お前が一番挙動不審だ…というご指摘については、ご意見として承り、今後の参考にさせていただきます。
 先月、消防団で住宅用火災警報器の一括共同購入事業を実施した。

 これは住宅用火災警報器の設置義務化に伴い、まだ設置してない地区民に対し、購入希望者を取りまとめ、安価で提供するというものだ。

 でも、腑に落ちない。私が班長だった頃は「消防団は火災警報器を販売してはならない」と消防本部からのお達しがあったはずなのに、どういうことだろう。

 結局、今になって、設置が計画通り進んでいないもんだから、消防団に押し付けてきたのだろう。


 行政側の身勝手な日和見主義には心底うんざりする…。


 たぶん、火災警報器片手に地区民の家を訪問して「消防署の方から来ました」とか言っちゃったに違いない。怪しまれて名前を聞かれ時、うっかり「オレ、オレ!」とか答えたに違いない。

 昔からよく「結構、根に持つタイプだね」と言われてます。(購入希望者の取りまとめは先月末で締め切りました)
 あまりパッとしない流行語大賞が発表された。「ゲゲゲの〜」なんて、いったい誰がどんなシチュエーションで使うんだろう。

 それはさておき、我が消防団の今年の流行語大賞は、
 ズバリ「熊出没注意」だと思う。

 創立記念日の中学校に侵入した後射殺され、全国ニュースを賑わしたクマを筆頭に、当地域では、それこそ毎日クマによる被害や目撃情報が相次いだ。そうした事態を受け、なぜか消防団に対して出動要請がきたのだった。
 とはいえ、消防団がクマと格闘して退治したとか、クマだと思ったら消防団員だった…とかではない。クマが活発に活動する早朝と夕暮れ時に、警鐘を鳴らしながら地域内を巡回するのだ。

 しかし「火の用心」じゃなく「クマ用心」なんて…、生まれて初めてだ。でも、思い当たる節はある。

 実は昨年の春と秋、自宅の庭でハクビシンとタヌキにそれぞれ遭遇している。一応断っておくが、我が家は中心市街地のド真ん中である。しかし最近、急激に自宅周辺が野生化している気がするのだ。有機農法の普及、地球温暖化による自然環境の変化、里山の荒廃による境界の喪失など、要因はさまざまあるかもしれないが、いるはずのない生物がいきなり目の前に出てくると、誰だって面食らってしまう。

 久しぶりに布団を上げたら、畳からキノコが生えていたときは、さすがに面食らった。

 あと、久しぶりに鏡を見たら、妖怪のような鼻毛がはみ出していたときも面食らった。思わず「ゲゲゲの鼻毛!」と叫んでしまった。…あ。