小沢昭一:著 (文春新書 2012年8月発行)
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KABU(かぶ)
久しぶりに会った方々と、ゆっくりお酒を酌み交わし、いいお湯に浸かってのんびりとさせてもらった。
それにしても、この急な渓谷にぎっしりと連なるように旅館が立ち並ぶ土湯の温泉街は、朝陽の中開け放った窓から眺めると、すでに営業していないと思われる旅館やホテルも見てとれる。
浴衣を着替えて外に出て、まだ明けたばかりの温泉街を散歩してみる。
昨日のお酒がまだ残っている。
良い酒飲みを相手に気分よく呑んでしまった。
雪ではないが、小さな氷の破片のようなものがキラキラと降って来る。
昨日よりもキーンと空気が冷たい。
温泉地は、福島県に限らず、景気が悪くなってからはしばらく、廃業する大きな観光旅館もあり、いずこも厳しい状態であっただろう。
そこに、大震災と原発事故の風評被害に追い打ちをかけられた福島県の温泉地はたいへんな打撃であることは間違いない。
しかしこうして、頑張って継続している。
何も出来ぬが、いつの日か、多くの人が再び安心して暮らし、普通に温泉で楽しむことができる日が来ることを、祈るばかりである。
看板猫の「KABU(かぶ)」がフロントのカウンター前にあらわれた。
チェックアウトを待っている、私たちの前で、熱心に顔を洗い(なめ)、ゴロンと転がって愛嬌をふりまいて、またカウンターの中へ戻って行った。
なかなか出と退きを心得ている心憎いやつではないか。
このお宿を守っておくれよ。(^^
栗子峠を越えて、お昼には帰宅。
峠の栗子スキー場のゲレンデと、おおよそその高さのところにうっすらと雪が積もっていた。
さすがに路面にゆきはないものの、青空の福島市内から米沢側に来たら、やや曇天。
翌日は暦の上では小雪なのだが、夕刻には、だんだんお天気回復してきた。
それにしても、この急な渓谷にぎっしりと連なるように旅館が立ち並ぶ土湯の温泉街は、朝陽の中開け放った窓から眺めると、すでに営業していないと思われる旅館やホテルも見てとれる。
浴衣を着替えて外に出て、まだ明けたばかりの温泉街を散歩してみる。
昨日のお酒がまだ残っている。
良い酒飲みを相手に気分よく呑んでしまった。
雪ではないが、小さな氷の破片のようなものがキラキラと降って来る。
昨日よりもキーンと空気が冷たい。
温泉地は、福島県に限らず、景気が悪くなってからはしばらく、廃業する大きな観光旅館もあり、いずこも厳しい状態であっただろう。
そこに、大震災と原発事故の風評被害に追い打ちをかけられた福島県の温泉地はたいへんな打撃であることは間違いない。
しかしこうして、頑張って継続している。
何も出来ぬが、いつの日か、多くの人が再び安心して暮らし、普通に温泉で楽しむことができる日が来ることを、祈るばかりである。
看板猫の「KABU(かぶ)」がフロントのカウンター前にあらわれた。
チェックアウトを待っている、私たちの前で、熱心に顔を洗い(なめ)、ゴロンと転がって愛嬌をふりまいて、またカウンターの中へ戻って行った。
なかなか出と退きを心得ている心憎いやつではないか。
このお宿を守っておくれよ。(^^
栗子峠を越えて、お昼には帰宅。
峠の栗子スキー場のゲレンデと、おおよそその高さのところにうっすらと雪が積もっていた。
さすがに路面にゆきはないものの、青空の福島市内から米沢側に来たら、やや曇天。
翌日は暦の上では小雪なのだが、夕刻には、だんだんお天気回復してきた。
おもてなしの宿で
時雨模様の火曜日。
時折、晴れ間が出たりするのだが、長続きしなくて、外仕事もどうもはかどらない。
お寺の裏山の中腹には、石塔群が建っているちょっとした平らな場所がある。
そこには、町内の鎮守の神様や、「おおみやさま」と呼ばれている、子どもの発育やお母さんたちの健康を願ってお参りされている祠がある。
先週、登ったら、いくつかの石塔が屋根や胴体の部分などが倒れていた。
春の雪の圧力で倒れることはあるのだが、5月の春祭にも9月の秋祭りの時も何事もなかったし、風で倒れることもなさそうだ。
これは、お猿さんの仕業に違いない。
倒す気で倒したということではなく、群れでやって来ているので、屋根に登ったりして、驚いたり何かのはずみで倒してしまったのではないかと考えた。
一番思いもので、大人が二人でやっと持てる物もある。
もともとバランスが崩れていたりするので、考えられないことではなく、おそらくそうであろうと思う。
午前中は、町内会長さんと一緒に行って、取りあえず直してきて、後日補修をすることにした。
お昼は家で、なめこ・鶏・月見蕎麦を食べて暖まる。
午後は、マナビストの二期会のメンバーと福島県の土湯温泉へ。
マナビストとは、米沢市が生涯学習に関わる一定の講習を受けたものに、認定をする制度があって、10年前同じ年度に認定された者が任意で会を作っている。
米沢市や関連する生涯学習に関する事業や催しなどの支援を継続している、30代~80代までと幅広い年代で、男女もほぼ同数ぐらい。
ただし、会が始まったときから、みんな10歳歳をとっている。
この日は平日ゆえ、参加者は6人。
震災の被害を受け、今も原発事故に関わる影響をうけつづけているであろう、福島県の温泉地。
私たちが予約したお宿は、看板猫の「KABU(かぶ)」が出迎えしてくれる、暖かいおもてなしの宿だった。
直江兼続と縁のある興徳寺というお寺もある土湯温泉。
年代を超えたオモシロ話、真剣話。
ほっこり暖かい夜でした。
時折、晴れ間が出たりするのだが、長続きしなくて、外仕事もどうもはかどらない。
お寺の裏山の中腹には、石塔群が建っているちょっとした平らな場所がある。
そこには、町内の鎮守の神様や、「おおみやさま」と呼ばれている、子どもの発育やお母さんたちの健康を願ってお参りされている祠がある。
先週、登ったら、いくつかの石塔が屋根や胴体の部分などが倒れていた。
春の雪の圧力で倒れることはあるのだが、5月の春祭にも9月の秋祭りの時も何事もなかったし、風で倒れることもなさそうだ。
これは、お猿さんの仕業に違いない。
倒す気で倒したということではなく、群れでやって来ているので、屋根に登ったりして、驚いたり何かのはずみで倒してしまったのではないかと考えた。
一番思いもので、大人が二人でやっと持てる物もある。
もともとバランスが崩れていたりするので、考えられないことではなく、おそらくそうであろうと思う。
午前中は、町内会長さんと一緒に行って、取りあえず直してきて、後日補修をすることにした。
お昼は家で、なめこ・鶏・月見蕎麦を食べて暖まる。
午後は、マナビストの二期会のメンバーと福島県の土湯温泉へ。
マナビストとは、米沢市が生涯学習に関わる一定の講習を受けたものに、認定をする制度があって、10年前同じ年度に認定された者が任意で会を作っている。
米沢市や関連する生涯学習に関する事業や催しなどの支援を継続している、30代~80代までと幅広い年代で、男女もほぼ同数ぐらい。
ただし、会が始まったときから、みんな10歳歳をとっている。
この日は平日ゆえ、参加者は6人。
震災の被害を受け、今も原発事故に関わる影響をうけつづけているであろう、福島県の温泉地。
私たちが予約したお宿は、看板猫の「KABU(かぶ)」が出迎えしてくれる、暖かいおもてなしの宿だった。
直江兼続と縁のある興徳寺というお寺もある土湯温泉。
年代を超えたオモシロ話、真剣話。
ほっこり暖かい夜でした。
日々反省どう
19日(月)は、小野川の大黒天さまのお年越し例大祭。
毎年この日に、曜日に関わらずに開催されており、二十数年来助法をさせていただいております。
例年、この時期に初雪が降ったりすることが多いのですが、本日は見事に晴れ!
主催する立場になったら、本当に安堵するものです。
しかし…、こちらは最悪の体調で朝を迎えてしまった(--;
解っていながら、過ぎてしまったお神酒。
後悔先に立たず…。
久々の二日酔いで、朝食を食べられない状態。
ひたすら、水分を補給し、時間の許す限り身体を休めて(トホホ)
行かなければ迷惑をかけるし、行って迷惑をかける恐れもある。
なんとか回復傾向に向かい、お勤めもきちっと務めることができたのは、大黒様のおかげか。
さすがに、昼前に出していただいた、せっかくのお餅、眼では食べたいのだけれど、まったく食べることができなかった。
作ってくださったみなさま、たいへん申し訳ありませんでした。
二座目の法要ではすっかり回復。
自分の丈夫さにもちょっとあきれてしまう。
おかげさまで、皆様にあまり迷惑を欠けることなく務めを果たさせていただいた。
自分の状況や体調を考えて、ほどほどにい神酒をいただいたりしながら、大病を得ることもなく過ごしてきたつもりなのだが、やはり、ちょいとした甘えや油断が他人様にもいろんなことにも迷惑やら影響を与えてしまう。
このところ忘れていたことを、思い出させられた。
二十代や三十代のような無茶も聞かないし、替わりのきかない立場になって来ていることを自覚せねばならぬのだが…。
お祭り終了後、同じ助法の方々と食事をいただいた。
完全に体調は復活し、朝昼とも食べられなかったこともあり、お腹が空いていた。
まったくげんきなもので、ばつが悪い。
鯛を昆布で〆たお造りを、柚子胡椒でいただいた。
これが、優しい魚の味と、ピリリと辛いスパイスがお腹に刺激になって旨い。
調子に乗ってはいけない。
この日は完全休肝日。
毎年この日に、曜日に関わらずに開催されており、二十数年来助法をさせていただいております。
例年、この時期に初雪が降ったりすることが多いのですが、本日は見事に晴れ!
主催する立場になったら、本当に安堵するものです。
しかし…、こちらは最悪の体調で朝を迎えてしまった(--;
解っていながら、過ぎてしまったお神酒。
後悔先に立たず…。
久々の二日酔いで、朝食を食べられない状態。
ひたすら、水分を補給し、時間の許す限り身体を休めて(トホホ)
行かなければ迷惑をかけるし、行って迷惑をかける恐れもある。
なんとか回復傾向に向かい、お勤めもきちっと務めることができたのは、大黒様のおかげか。
さすがに、昼前に出していただいた、せっかくのお餅、眼では食べたいのだけれど、まったく食べることができなかった。
作ってくださったみなさま、たいへん申し訳ありませんでした。
二座目の法要ではすっかり回復。
自分の丈夫さにもちょっとあきれてしまう。
おかげさまで、皆様にあまり迷惑を欠けることなく務めを果たさせていただいた。
自分の状況や体調を考えて、ほどほどにい神酒をいただいたりしながら、大病を得ることもなく過ごしてきたつもりなのだが、やはり、ちょいとした甘えや油断が他人様にもいろんなことにも迷惑やら影響を与えてしまう。
このところ忘れていたことを、思い出させられた。
二十代や三十代のような無茶も聞かないし、替わりのきかない立場になって来ていることを自覚せねばならぬのだが…。
お祭り終了後、同じ助法の方々と食事をいただいた。
完全に体調は復活し、朝昼とも食べられなかったこともあり、お腹が空いていた。
まったくげんきなもので、ばつが悪い。
鯛を昆布で〆たお造りを、柚子胡椒でいただいた。
これが、優しい魚の味と、ピリリと辛いスパイスがお腹に刺激になって旨い。
調子に乗ってはいけない。
この日は完全休肝日。
一時みぞれながら
帰宅したら、自宅の玄関先に白菜とキャベツと大根がたくさん。
笠地蔵さんが運んで来てくださったのか…。
聞いてみたら、いつもお不動さまにお供えしてくださるТさんがくださったものとのこと。
有り難くお供えしてご馳走になることに。
そんな日曜日、朝から冷たい雨が降り、これじゃ雪に変わるかもしれないと、自動車のタイヤも交換していないし、びくびくしながら、一日をスタート。
朝は簗沢地区のお宅で、オタナサマのお祭りのお勤め。
オタナサマはそれぞれの家によって祀り方が異なっているので、いろいろと興味深い。
このお宅では、毎年この日と決まっており、家族全員一日ご精進で過ごされるとのこと。
これは、ご当主がきちっと家族にお話をされ、行っている家の約束事でもある。
そのご神体は当主だけが知っており、口外無用とのこと。
今の時代でも、こういうことってきっとあっていいんだろうと思う。
オタナサマを拝むことを通して、いろんなことを思索して過ごす一日、不合理を受容する体験である。
午前中は同じ簗沢地区のお宅で法事のお勤め。
法要を終えてから、ご親族の皆様と、小野川温泉のお宿で、会食の席に招いていただいた。
この日の小野川は、街中の婚活イベントがあるらしく、大勢の若い人が出歩いていた。
なんと男女合わせて200人ぐらいの人が集まったらしい。
すごいなぁ。
街中を食事やお茶を飲んだりしながら、最後は大黒天で良縁成就のご祈願があったとのこと。
さて、果たしてどれだけの縁が結ばれるのやら。
お昼には時々みぞれが混じる天気になったものの、夕刻近くになってお天気は晴れに向かい、キンキンと冷え込んでいった。
町内のお宅で、屋敷の神様のお祭りのお勤めをさせていただいた。
そして…。
敬愛するご当主、それにその息子さんとは先輩ながら小学校時代からの旧知の間柄ということで、ご馳走になってしまった。
自分が思っていた以上に、お神酒をご馳走になってしまったようだ。
たいへんな長っ尻をして、夜中に帰宅。
明日は大丈夫なんだろうか…、などと頭の片隅で思いながら、爆睡し終了。
笠地蔵さんが運んで来てくださったのか…。
聞いてみたら、いつもお不動さまにお供えしてくださるТさんがくださったものとのこと。
有り難くお供えしてご馳走になることに。
そんな日曜日、朝から冷たい雨が降り、これじゃ雪に変わるかもしれないと、自動車のタイヤも交換していないし、びくびくしながら、一日をスタート。
朝は簗沢地区のお宅で、オタナサマのお祭りのお勤め。
オタナサマはそれぞれの家によって祀り方が異なっているので、いろいろと興味深い。
このお宅では、毎年この日と決まっており、家族全員一日ご精進で過ごされるとのこと。
これは、ご当主がきちっと家族にお話をされ、行っている家の約束事でもある。
そのご神体は当主だけが知っており、口外無用とのこと。
今の時代でも、こういうことってきっとあっていいんだろうと思う。
オタナサマを拝むことを通して、いろんなことを思索して過ごす一日、不合理を受容する体験である。
午前中は同じ簗沢地区のお宅で法事のお勤め。
法要を終えてから、ご親族の皆様と、小野川温泉のお宿で、会食の席に招いていただいた。
この日の小野川は、街中の婚活イベントがあるらしく、大勢の若い人が出歩いていた。
なんと男女合わせて200人ぐらいの人が集まったらしい。
すごいなぁ。
街中を食事やお茶を飲んだりしながら、最後は大黒天で良縁成就のご祈願があったとのこと。
さて、果たしてどれだけの縁が結ばれるのやら。
お昼には時々みぞれが混じる天気になったものの、夕刻近くになってお天気は晴れに向かい、キンキンと冷え込んでいった。
町内のお宅で、屋敷の神様のお祭りのお勤めをさせていただいた。
そして…。
敬愛するご当主、それにその息子さんとは先輩ながら小学校時代からの旧知の間柄ということで、ご馳走になってしまった。
自分が思っていた以上に、お神酒をご馳走になってしまったようだ。
たいへんな長っ尻をして、夜中に帰宅。
明日は大丈夫なんだろうか…、などと頭の片隅で思いながら、爆睡し終了。