臨床現場からの緊急警告
岩波 明:著
(新潮文庫 平成26年1月1日 発行)
精神を病んでいる人が多くなった、そんな感じは確かにしている。例えば、鬱病になったということは知人から話を聞いたこともある。
高齢者の認知症と思われる人も身の回りに少なくない。その程度はいろいろあり、グループホームなどで過ごしている人、家庭で長い時間一人にしておけない状態になっているとか、何度も同じ話を繰り返すということに気がついたり、というように。
それなのに、その治療や対応については、案外と知らないと感じている。
そして、薬物の治療よりはサプリメント、或いは食事療法で治るのであればその方が良いのではないかと思うし、薬物を用いるなら、なんとなく漢方薬の方が・・・というような。
これは、精神病に限らず、内科的な病気についても、傾向としてはあると思える。
「精神科医が狂気をつくる」という言葉はインパクトがある。それが、臨床で診察・治療にあたっている精神科医によって語られているのだからなおさらだ。
できれば、心身に副作用が無い方がよいというのは、正直そうでありたいなぁと、患者の立場でそう思う。しかし、それが、実際に効果がなくて、むしろ病状というか生命までも失われかねない事態になりかねない、ということならば、話は別である。
病状の改善、または治癒に向かう効能がある薬物治療であれば、使用すべきものであるということ。まやかしの治療に惑わされてはいけないこと。 なるほど、と思った。、
この記事へのコメントはこちら