(259)『ふるさとの詩』

  • (259)『ふるさとの詩』

遠藤岩根:著 (不忘出版  2005年10月15日発行)

 

さてこの本は、私が出た高校の大先輩であり、縁あって、様々なところで関わらせていただいている方の本なのです。

 

私立の高等学校の教員として長年勤められ、すでに退職なさってから干支が一回りぐらいなさっているはず。

その遠藤さんが、おそらく退職なさってしばらくして、様々なところで書かれた文章をまとめる機会になさったのだろうと思います。

それは学校内の機関誌であったり、地域誌であったり、郷土の文化団体の冊子であったりと多岐にわたる。

あわせて、結婚式の祝辞やスピーチ、講演の記録なども文章化されてあるのが面白い。

 

著者が生まれ育った集落は、大きなダムの計画により、湖底に沈み実際にはなくなってしまった、山間の地域である。

そこはなくなってしまったけれど、その生まれ育った家や地域の中での教育力(と言っていいのでしょうか・・・)が、著者の中にしっかり根付いているということを感じずにはいられない。

ふるさとの形はなくなったけれど、遠藤さんという人間がちゃんとその家庭や地域を体現している。

それがこの著書の『ふるさとの詩』ということになったのではなかろうか。

 

同級生から、遠藤先生というたいへん面白くて素敵な先生がいらっしゃるということは聞いていた。

高校卒業後、約30年経過して出会うことになり、また「ふるさと」について考える機会を与えていただくことになるとは。

ただ、遠藤岩根さんというお名前から、全く勝手な私の想像なのだが、なんというか・・・シュッとしたロマンスグレーの紳士を想像していたのでした。

ところが実際にお会いしてみると、・・・想像以上に素敵な紳士でいらっしゃたのではありますが。。。(^^)

縁あって芸文団体の集まりに参加させていただいた折、遠藤さんと私ともう人方が集められて写真を撮られ、のちに広報紙に「輝ける3人」というタイトルを付けていただいたのでした。

お分かりとは思いますが、人体の上方が輝いており、じつに親しみやすい容貌でらっしゃいました(失礼)。

 

ある講演録の冒頭に「いやぁ、今日は朝シャンをしてきれいにしてきました」というとこが書いてありました。

氏が何度か会議の司会などをなさる時に聞いた言葉です。

こんど、私も使わせていただこうと思っています。

 

ご自分の子供と関わる、大切な時間のことも記してあります。

いつか、私も子供とこんなふうに関わりたいものと、むねがちょっと熱くなりました

2014.02.17:dentakuji:[お寺の本棚]

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