共同通信社取材班 (東京書籍 2012年6月26日発行)
日本にある建物と、日本人が関わった建物に関わる話しが49編。
単純に写真を見ただけでも面白いと思う。
けれど、それ以上にその建物にまつわる逸話や物語を知ると面白さは倍増する。
この本の、いわゆる腰巻と言われるものに、「人が生きるための場所」と記されているのだかれど、例えば一番最初に出てくる「東京スカイツリー」は、なんで人が生きるための場所なの?と思ったりするのですけれども。
この世界一高い電波塔が、結果的に五重塔のつりさげ型の芯柱を用いた制震構造になったというエピソードが紹介されている。
スカイツリーの設計者は、当初、五重塔不倒伝説は知っていながら、現実的にはその制震能力は証明できなかったという。けれども、結局たどり着いたところはそこだったという。
私はスカイツリーには何の思い入れもないし、できればあんな高いところに昇ってみたいとは思わないのであるけれども、これを読むと少しだけ心が動いたように思う。
島根県の三朝町にある三仏寺投入堂(なげいれどう)という、山の岩の上(岩壁)に建つお堂がある。
まるで、修験者の、役行者(えんのぎょうじゃ)がそこに投げ入れたとしか思えないような場所に建っている。
前から気になっていた建物で、これを読んだら、ぜひいつか行って登らせていただきたいと思った。
え?高い所が苦手ではないのか?
そうそう。
でも、自力で登ることができる(可能性がある)場所は別なのであります。
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