同じ川西町の平野部に現れます。
時田の八幡寺(やはたじ)さまの境内の中に建立されている「草木供養塔」。
国道287号沿線にある、お寺の門を入って、本堂と庫裡が一体になっている建物の、庫裡の前にある築山の中に建っています。
庭はきれいに手入れをされておられ、その中に建っていました。
しかも、今回の目的の草木塔の手前に、もう一基「草木塔」が建っていました。
これについては、順を追って、次回以降にご紹介します。
さて、今回の草木供養塔は、凝灰岩で60センチほどの大きさの塔です。
特徴のある文字で、中央の「草木供養塔」と刻まれているのははっきり読みとることができます。
けれども、その両側の文字は摩耗が進んでおり読みにくくなっています。
西側を向いて建っているので、晴れた日の夕刻に訪れたのですが、ところどころはっきりしない箇所があります。
資料とあわせながら観ると「あぁなるほどぉ」という感じです。
「明治二年 三月十七日」 とあり 建立者は不明です。
玉庭御伊勢町の草木塔建立から半年足らず。
しかも、冬の三月ではまだ雪が残っていたことでしょう。
そして、「草木塔」からまた「草木供養塔」。
以前、町の民俗に詳しい方に聞いたところでは、建立の経緯ははっきりしないとのことで、もともとの建立地はこの近くの別の所だったのではないか、ということでした。
八幡寺さまは元禄2年(1689年)の創立で、寺号を受けている古刹ですが、それ以前から加持祈祷を行うお堂があり法印がいたとのこと。
明治の神仏分離令が出た折に修験宗から新義真言宗に移っておられます。
このあたりの経緯は、私どもの田沢寺も同じ経緯をたどっています。
本堂とは別に、八幡さまを祀るお堂が建っています。
そのお堂の裏側には、湯殿山をはじめとした石塔群が並んでいます。(草木塔がある所とは別です)
この度は、お寺のおばさまに挨拶をして、撮影の許可をいただきました。
手入れされた庭で大切に守られている草木供養塔でした。
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