「方丈記」に学ぶ 心の在り方
玄侑宗久:著 (新潮社 2011年11月25日発行)
諸行無常の無常、である。
3.11以来のフクシマはまるで時が止まってしまったかのような、そんな思いがあるのだけれど、しかしそれでも日々変化、どころか刻々と時は立ち止まらずに過ぎて行っているのである。
あの、震災の後の大津波が起きた翌日、テレビで映し出された海は、まるで何事もなかったようにいつもの静かな海であった、と言っている。
大地震の被害や影響を受け、生活必需品や食料や燃料の確保に懸命になり、さらに原発の事故が追い打ちをかける。
そんな様子であっても、時には春の雪が降り、また晴れ間が出たり、かと思えば余震がいつまでも続く。
方丈記を読むと、その時代にもそうした自然災害やその時代の為政者に翻弄されている世の人々や作者がいる。
自然はいつもおなじではなく、また人も同じではいない。
諦念でもなく、やみくもな強がりでもなく、受け入れるチカラとは思いもかけぬほど強靭なものかもしれぬ。
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