地元の財団法人「田沢自彊会」主催の祈願祭である。
まずは、福島県境の大峠トンネルのちょうど上に位置する、晋洞沢のお不動さまでお勤め。
ここは、標高500メートルを超える山地のため、雲がかかり霧雨が降っていた。
財団の役員と地区の来賓を交えてご祈祷を行う。
お堂の右下には、沢が流れ、ここのお不動さまが産湯をつかった?!という謂れがある釜状の滝つぼがあり、清流を水がほとばしっている。
お天気はなんとかもって、ここから八谷の山の神様のお堂でご祈祷。
立派なお堂で、お堂内でお勤め。
かつて、この八谷は最大で20戸ほどの家が建つ集落があり、三沢西部小学校の分校もあった。
現在は一戸もない。
平成4年に国道121号大峠が改修を終え開通した時に合わせて、最後に残った4戸が全て移転となった。
この集落で祀っていた山の神様を、自彊会で維持していこうということになり、以来、お祭りを行っているものだ。

最後は、口田沢地内の上中原の草木塔の供養。
山で暮らしを立て、山で生きてきた田沢地区にとって、大事なお祭りです。
危険と背中合わせで、集団的な作業を行ってきたこと。
樹木や山菜など、そうしたものののおかげで私たちは生きていられること。
山の中で、生きものとか自然とかを肌で感じながら、そこで生きる力や知恵を働かせて暮してきたこと。
自然の前で感謝し、謙虚になること、これがお祭りの意義かもしれません。
9時過ぎから始まったお祭りは、11時半頃3ケ所のお勤めを終えた。
それから、財団の事務所がある開館で直会。
精進落としというような格好で、折詰めをいただき、冷たいビールをごっつぉになり…^^;

そして、なんといってもこれ。
塩鯨がたっぷり入った山菜汁。
これは、このあたりの定番。

ウルイとミズナと玉ねぎとジャガイモで、塩クジラが入って味噌味。
今は、塩鯨はけっこう高級品です。
牛肉よりも高い、ぐらい。
サバ缶を使うことが多いのですけど、やっぱり、こちらはまた違うなぁ。
勧められるままにおかわりをいただきましたよ。
直会では、その中で山のしきたりや、経験など面白い話を聞くことができる。
今日の参加者の中で私と来賓で出席している2人が同年生で、一番若い(^^;
先輩たちの話しをゆっくり聞いて、まだ明るいうちに、帰宅なのでした。
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