2月24日(金) 晴れ
一雨降ると、これほど雪がすくんでいくものかと、毎年のことながら感じる。
大雪の年とそうでもない年の雪も、雪が消えるのは家の周囲でも一週間ぐらいの違いしかない。
さて、用あって田沢コミセンと財団の事務所へ行った。
コミセンの前で土曜日に催される「田沢雪祭り」の下準備を有志の方がやっていた。
明日は晴れてくれるといいな。
以前、田沢にあるクロスカントリー競技場(普通は牧場と牧草地と原野)を会場にして開催していた。
スノーモービルや雪上車を駆使して、人や子供が少ない割にスケールの大きなことをやって楽しんでいた。
あの当時面白がってやっていた人たちと顔を合わせると「あの頃はおもしゃがったなぁ」という話になる。
懐古してもしょうがないんだけど、できる「時間」みたいなものがきっとあるんだろうと思う。
その時にできることやりきったから、懐かしく思えるのだろう。
今できることをやればいいのだ。
子どもが生まれる前後から、親戚や身近な人の命の出入りがある。
出入りというと語弊があるかもしれない。
生まれる命があり、去り行く命があるということ。
それが、先月末から、ものすごく身近続いており、不思議な思いでいるのだ。
たまたまかもしれない。
でも、もしかしたら、生命全体のうねりみたいなものがあって、そういうものの影響を受けているのかもしれん、などとついつい考えてしまう。
「おめでとう」と言われること、面映ゆさを感じながらも、やはりそれは幸せなこと。
昨日も、今日も祝に来てくださる方があり、人が生まれてくることの喜びを改めてかみしめている。
かたや、家族や親しい人を失った人でさえ、どんなに辛い想いでいるのかと察せられるのに、祝福の言葉をかけてくださる。
涙が出るほど、ありがたいことだ。
夕刻、時間があったので市内の古本屋さんへ。
近くの公園に車を止めて、歩いてゆく。
もう何十年とここで古本屋さんを営んでいる、昔ながらの書店で、その乱雑さと、いわゆる古本の匂いがする店。
宝物探しをするような楽しさがある。
2冊ほど掘り出し物を買って、まだ明るいので公園の周囲を散歩した。
一回りして、なんとはなしに、もう主がいなくなってしまったカフェへ足が向いた。
足早にその前を通り過ぎようとしたら、中に明かりが灯り、人影が見えた。
「えっ…」と思ったら、窓際に知人の顔が見え、招き入れられた。
店の中を片づけているところだった。
主と親しい人たちが、私に祝いの言葉をかけてくれた。
せつないけど、嬉しい。
この店は、あとを引き接ぐことは、たぶんないのだろう。
そう思うと、今日こうして訪れることになったのは、単なる偶然ではなかったのかもしれぬ。
とても残念だけれど、ありがとうという言葉しか思い浮かばなかった。
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