Library of Invitation
(冨沢良子 アスペクト 2007年)
東京都内と首都圏にある、公共図書館や専門的な図書館のガイドブック。
東京には、さすがに公共や民間を問わず、多種多様な図書館があるものだ。
一千万を超える人口が集まっている、国の首都なのだから当たり前といえばそうなのだけれども、じつに羨ましい。
そして、これも当たり前なのだけれど、先進的な施設や機能を兼ね備えているという点でも。
昨年、東京の千代田区図書館に行く機会があった。
ここは、まだ開館して5年ほどだったと思うのだけれど、千代田区役所のビルディングの10階11階の広いフロアーを取って併設されている。
同じ千代田区には古書街で有名な神保町があることから、その地域との連携がなされていた。
古書街の一角に、旧店舗を改装した、神保町の情報発信をする小さな施設がある。
そこに、図書館コンシェルジュが常駐しており、本の情報だけでななくて、神保町と千代田区の町の情報を教えてくれるのだ。
もちろん、図書館内にも司書さんとは別にコンシェルジュがいるのだ。
そこは、旅人でも時間を過ごすのにすごく良い場所であった。
指定管理になっており、大手の図書館業務運営の会社と日本最大手の洋酒メーカーが、この子会社が業務を分担していた。
いやぁ、すごいすごい。
さて、この本にも興味深い図書館がある。
例えば、「日清食品 食の図書館」「食の文化ライブラリー(味の素)」「紙の博物館 図書室」「旅の図書館」など。
これらは、東京ならではと言えるかな。
行ってみたいと思うのは「大宅壮一文庫」「国立国会図書館 国際子ども図書館」。
このうち、「大宅壮一文庫」には行く機会を得た。
編集者やライターなどが資料を探しに毎日のように大勢の利用者が訪ねてくる。
雑誌名や書名だけでなく、人名やニュース名などによるレファレンスも可能。
生きもののように毎日増殖する記事を分類整理が常になされているのだ。
それに、検索して出てくるまでの時間がとても速いという。
じつは、その作業の奥は人力でなされているという。
そこらへんが、今の時代にしてはアナログ的で面白かった。
さて、個性的な図書館は地方でもできないだろうか。
できるだろうと思う。
一般の図書館とともに、その地方でなければならない図書館。
米沢では、街中図書館を作ろうとしている。
どんな図書館ができるのだろうか、楽しみである。
もう一つの図書館は、地域情報を知ることができるコンシェルジュがいるような施設になったら面白いとおもうんだけどなぁ。
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