108巻「被災地編・めげない人々」
雁屋 哲:作 花咲アキラ:画 (小学館 2012年3月)
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(133)『おやじがき』
絶滅危惧種 中年男性図鑑
内澤旬子:著(講談社文庫 2012年 2月)
2月中旬以降、読書量が落ちてしまった。
なぜか解らぬが、一冊を読みとおせないでいた。
ならばイラストルポならどうだろうというわけで、この一冊。
じつは、この著者の新刊書ともう一冊、という感じで購入していた。
そのため、よく見もしないで誤解をしていた。
「おやじガキ」だと思っていたのだ。
「ギャルおやじ」とかというような意味で、ガキのような行動とか格好をしたオヤジのルポだと思っていたのだった。
著者が興味を持ったのは、サブタイトルについているように、絶滅危惧種?!ともいえる、ちっともお洒落でも若ぶってるとかいうオヤジのことではない、いわゆるオヤジらしいオヤジのこと。
まさに、そのオヤジの年代に突入してしまっているワタクシとしては、なかなか痛い内容なのである。
「すだれ、耳毛、大あくび、ハゲ、加齢臭、…」
どれもこれも思い当たり、気になることではないか。
若い頃は、耳毛が出ているオヤジを見つけると、信じられなかったものだが、今はカッターで定期的にカットしなければならなくなった。
しかししかし、著者はじつにこの純粋オヤジに好奇心とともに、なんとも暖かい眼差しを向けているではないか。
「おやじがき」とは、絶滅危惧種と化したオヤジをこっそりと観察して描く(書く)ということだったのだ。
「オヤジ狩り」ならぬ「おやじがき」であった。
それがじつに、相手にわからないように、観察し描くかという、考えてみればどうでもよいばかばかしさがあって可笑しいのである。
内澤旬子:著(講談社文庫 2012年 2月)
2月中旬以降、読書量が落ちてしまった。
なぜか解らぬが、一冊を読みとおせないでいた。
ならばイラストルポならどうだろうというわけで、この一冊。
じつは、この著者の新刊書ともう一冊、という感じで購入していた。
そのため、よく見もしないで誤解をしていた。
「おやじガキ」だと思っていたのだ。
「ギャルおやじ」とかというような意味で、ガキのような行動とか格好をしたオヤジのルポだと思っていたのだった。
著者が興味を持ったのは、サブタイトルについているように、絶滅危惧種?!ともいえる、ちっともお洒落でも若ぶってるとかいうオヤジのことではない、いわゆるオヤジらしいオヤジのこと。
まさに、そのオヤジの年代に突入してしまっているワタクシとしては、なかなか痛い内容なのである。
「すだれ、耳毛、大あくび、ハゲ、加齢臭、…」
どれもこれも思い当たり、気になることではないか。
若い頃は、耳毛が出ているオヤジを見つけると、信じられなかったものだが、今はカッターで定期的にカットしなければならなくなった。
しかししかし、著者はじつにこの純粋オヤジに好奇心とともに、なんとも暖かい眼差しを向けているではないか。
「おやじがき」とは、絶滅危惧種と化したオヤジをこっそりと観察して描く(書く)ということだったのだ。
「オヤジ狩り」ならぬ「おやじがき」であった。
それがじつに、相手にわからないように、観察し描くかという、考えてみればどうでもよいばかばかしさがあって可笑しいのである。