ことえ老技抄

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にゃん太郎は音の聞こえるほうへ歩いていきます。


てってってってっ……

こてっ

てってってっ…

こてっ


右後ろ足、不自由なのかな。


みゃーみゃー


助けを求めてるんだ。
何もわからなくて。
からだの自由もきかなくて。


『…こいつ、食べられちゃうよ、きっと。』

『え…』

『親猫に。』

『ウソ!!そんなことしないよ!!!』

『目もみえなくて、足もわるいから、育てられないだろ。』

『ウソだぁ!!かわいそうだよ、…そんなことして。』

『のらねこだから、そういうこともあるんだよ。』

『…』

『生きのこれないってわかるからには、悲しいけどしょうがないんだよ。』

『…』

『だから今にゃん太郎といっぱい遊んであげなな。』

『…うん。』




にゃん太郎は
遊んでもらってるなんてこと
わからないだろうな。

にゃん太郎は
精一杯生きようとしているんだ。

いつ自分が死ぬかもわからないで、
けれど、明日も生きようとがんばっている。

生き物の本能で。




2006.11.30:cotoekotoe:count(1,760):[メモ/にゃん太郎]
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