豊かさについての認識

 企業であろうと個人であろうと、その目的は人間としての豊かさの追求である。豊かさには二通りある。「モノの豊かさ」すなわち金銭面、物質面のそれが70%であり、「心の豊かさ」すなわち精神面が30%である。

 この割合を考えずに利潤追求ばかりをはかろうとすると、企業であれ、個人であれ、そして国家であっても尊敬を失い指弾される。商売とは、作る人も売る人も、そして使う人も利益を得なければ永続しない。国家にとっても同じである。責任なり抱負、そしてプライドもなく、ただ金銭だけの損得勘定で動いている姿勢しかみられなければ指導者とはいわない。

 東南アジアで騒がれると、総反省し、石油でアラブから脅かされろとたちまち土下座外交をする。信念も節操もない。ただ儲けるために行動している守銭奴的な成り上がり者と同じである。

 国家であろうと、企業あるいは個人であっても、関係ある全体の中で我を生かすことを考えなくては、ひとりだけで生きられるものではない。
自己の利益追求のためには、友情も多年の関係をも破棄しようとすると、他人はだれも相手にしなくなる。

 強い立場にいる者は、弱者に対する温かい心づかいと思いやりがなければならない。われわれ経営者は、これを他山の石として、社内外のあり方について反省しなければばらない。


2006.11.21:反田快舟:[経営箴言]

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