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オーダーメイドと普遍性

お客様にとって、いいと思ってもらえる家にすることが一番ですが、
次の世代の新しい人にも、やっぱりいい家だと感じてもらいたい。
個人にぴったりの家でありながら、一方では普遍的な家でもありたいと思っています。

かって、世界中の名作といわれる住宅を見て歩いた時期があるんです。
その時、外国の家でも、「ああこれはいい住宅だな」と思えるものがあった。
以来、自分のつくる家もそうありたいと思うようになりました。

ジーンズのように普遍的なよさを持っていて、なおかつ普段着として愛される家。
パーティ用の服を着て毎日は暮らせませんよね。
肩ひじ張らずに着られて、しかも着心地のいい服が普段の生活には大事でしょう。
そんな住宅をつくっていきたいですね。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.04.18:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

プレゼンテーションに凝る理由

プレゼンテーションという言葉は、プレゼントから派生したものですよね。
だから、ある種の贈り物をする気持ちがある。
お客さんは、どんな設計になるのか長い間待っています。
だから、その瞬間はすごく大事。できるだけ楽しんでほしいんです。

そういう企みを考えるのは大好きなんですよ。
うちの事務所のカレンダーにはスタッフ全員の誕生日が書き込んであって、
その日にはお誕生会をするんです。幼稚園みたいに飾り付けをして。

人生は楽しい方がいいじゃないですか。
子どものころからイタズラが得意。
イタズラが職業になればいいのにと思うくらいです。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.04.17:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

手書きの理由と、その効用

家の図面を引くときは、僕はずっと手書きです。
手で描く効用は、「手で考える」感じなんですよね。
「目を養い、手を錬る」という言葉があるでしょう。
「手練」ともいいますよね。

手で描くときには、筆記用具が必要です。
鉛筆とボールペン、そして筆ペンでは、タッチが全然違う。
スケッチをしていて、「何だか調子が出ないなあ」と思っていても、
筆記用具を変えたとたんに進みだしたりする。
それが「手で考える」ということかもしれません。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)

私の乏しい頭でも、企画はパソコン上で考えるより、
紙の上で自由レイアウトしながら考えた方が創造的になるような気がします。
脳科学者の茂木健一郎さんによると「脳は不確実性を喜ぶ」のだそうです。
2008.04.16:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

家に物語を込める

自分が住むことを考えてみると、その家のいろいろな部分を好きになりたいですよね。
できることなら、そこにちょっといい話があった方がいいじゃないですか。
それを、物語と呼んでいます。

家よりも、居場所ですね。
自分の居場所を、心地いいところに置いておきたいという思いがあります。
そこに、物語があれば、住人はそれを他の人に語ってあげることができるんです。

物語があること、そして、物語を大切にすることが本当の豊かさだと思うんです。
一つひとつの物語は、ほんの小さなものでいいんですよ。
それがいくつも集まって、家をつくっていくイメージ。
物語が多ければ多いほど、いい家、豊かな家になっていくと考えています。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.04.15:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

モチーフの決め手はどこにあるのか

僕は「土地」というのもがすごく大事だと思っているんです。
そこに吹いてくる風の感じとか、日差しの感じとか・・・。そういったものを大事にしたい。

敷地の中で家が居心地よく見えるかどうか。
そして、、その家の中で、人が居心地よく暮らせるかどうか。
これが大切だと思っています。

だから、模型をつくっている段階では、風景を対象とした大きな単位でも考える集し、
テーブルの手触りといったミリ単位のことも、同時に考えているんです。

一番重要なのはそこでの暮らし、そこで人がどんな生活を営んでいくのか、
そして、自分のイメージした住宅がその暮らしに合うかどうかを、常に考えています。

By中村好文

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.04.14:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]