建築にもさまざまな種類がありますが、独立以来ずっと個人のための住宅設計を専門に手掛けてきました。
突き詰めると、僕は人の暮らしというものが好きなんだと思います。
それをさらに突き詰めれば、人が好きなんでしょう。
また住宅の設計は、自分のした仕事の反応がダイレクトに返ってくるんですよ。
模型を出した瞬間、クライアントのウワーッという声を聞いただけで、この仕事は本当にやりがいがあると思えるんです。
人々の喜びに接することができる、それも嘘のない正直な気持ちを見ることができる仕事って、本当に素晴らしいと心から感じられるんです。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
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大きな重圧に立ち向かうには
多くの人にとって、家は生涯で最大の買い物。
その家をつくることは、ある意味では依頼者の人生を決めてしまう部分もある。
その重圧はありますよ。
だからおろそかにはできないという思いは常に持っています。
普通の人が数千万円というローンを組んでくるわけでしょう。
いい家にしてあげないといけない、という重圧をすごく感じます。
だからといって、萎縮してはダメなんですよ。
重圧は十分に感じながらも、どこかで呑気でないといけません。
自分を十分解放できていないといい家はつくれないと思っています。
やっぱり、自然体でいることが大事。
設計している時の気分は、完成した家にも表れます。
幸せな家というのは、設計者がまずそれを楽しまないとできないと思うんです。
ぼくは、自分自身が住みたい家にしたいんですよね。
自分が住んだらどうなるか、その家に入り込むことでアイデアが出てくる。
だから、プランニングしているときは、その家の中で暮らしているんです。
玄関から入り、階段を上がったり下りたり、家中を歩き回るんです。
春夏秋冬もあるし、一日のうちの時間帯もあります。
それから、病気になったらどうするか、トイレが遠すぎないだろうかとか。
それらすべてを、想像の中でシュミレーションしていくんです。
そういった作業が習慣化しているんですね。
それで、自分が気持ちいいと思える家、便利だと思える家をつくりたいんです。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
その家をつくることは、ある意味では依頼者の人生を決めてしまう部分もある。
その重圧はありますよ。
だからおろそかにはできないという思いは常に持っています。
普通の人が数千万円というローンを組んでくるわけでしょう。
いい家にしてあげないといけない、という重圧をすごく感じます。
だからといって、萎縮してはダメなんですよ。
重圧は十分に感じながらも、どこかで呑気でないといけません。
自分を十分解放できていないといい家はつくれないと思っています。
やっぱり、自然体でいることが大事。
設計している時の気分は、完成した家にも表れます。
幸せな家というのは、設計者がまずそれを楽しまないとできないと思うんです。
ぼくは、自分自身が住みたい家にしたいんですよね。
自分が住んだらどうなるか、その家に入り込むことでアイデアが出てくる。
だから、プランニングしているときは、その家の中で暮らしているんです。
玄関から入り、階段を上がったり下りたり、家中を歩き回るんです。
春夏秋冬もあるし、一日のうちの時間帯もあります。
それから、病気になったらどうするか、トイレが遠すぎないだろうかとか。
それらすべてを、想像の中でシュミレーションしていくんです。
そういった作業が習慣化しているんですね。
それで、自分が気持ちいいと思える家、便利だと思える家をつくりたいんです。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
悪条件に恵まれる
独立したばかりの頃、ある依頼が来て土地を見に行ったんです。
建売密集地の狭い土地の一軒家。
現場を見てめげました。
ところが、家の中に通されると、6畳の部屋に家族がいっぱいいて、
鍋物を用意して、「ようこそ、いらっしゃい」って感じで迎えられたんです。
「この人たちの家がつくれなければ、建築家でいる意味がない」と思いました。
広い土地で、予算がたっぷりあれば、誰がやってもそこそこのものはできる。
条件が限られているから、建築家の力が問われていると思うんです。
だから、「悪条件に恵まれる」というところもあるんですよ。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
建売密集地の狭い土地の一軒家。
現場を見てめげました。
ところが、家の中に通されると、6畳の部屋に家族がいっぱいいて、
鍋物を用意して、「ようこそ、いらっしゃい」って感じで迎えられたんです。
「この人たちの家がつくれなければ、建築家でいる意味がない」と思いました。
広い土地で、予算がたっぷりあれば、誰がやってもそこそこのものはできる。
条件が限られているから、建築家の力が問われていると思うんです。
だから、「悪条件に恵まれる」というところもあるんですよ。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
家が主人公という意味
「家が主人公」というのは、住宅としていい家をつくりたいということです。
クライアントの要望を全部聞いてあげて、それを全部盛り込んでもいい家になりません。
要望には十分応えるけど、ときには必要のないものは排除します。
僕の事務所では、「施主」とは呼ばないんです。
施主というのは「施す主」ですから、その下に僕がつき、さらに工務店などのつくり手が連なるという構造になる。
それはよくないと思っているので、「クライアント」(依頼者)と呼んでいるのです。
つまり横並びなんです。そこには上下関係はないわけです。
いいものをつくれば、それがクライアントにとってもいいことになる。
そこにプロフェッショナルの役割があると思うんです。
プロとしての経験もあるし、それによって築いた信念もあるから、そこは崩しません。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
クライアントの要望を全部聞いてあげて、それを全部盛り込んでもいい家になりません。
要望には十分応えるけど、ときには必要のないものは排除します。
僕の事務所では、「施主」とは呼ばないんです。
施主というのは「施す主」ですから、その下に僕がつき、さらに工務店などのつくり手が連なるという構造になる。
それはよくないと思っているので、「クライアント」(依頼者)と呼んでいるのです。
つまり横並びなんです。そこには上下関係はないわけです。
いいものをつくれば、それがクライアントにとってもいいことになる。
そこにプロフェッショナルの役割があると思うんです。
プロとしての経験もあるし、それによって築いた信念もあるから、そこは崩しません。
By中村好文
(プロフェッショナル仕事の流儀4より)