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大企業と渡り合う

技術者である夫は開発に専念する副社長、社長として会社を率いるのは、妻の秋山咲恵。
夫唱婦随のベンチャー企業「サキ・コーポレーション」を設立12年で、世界シェア2位にまで育て上げた。
組織の壁を取り払い、スピードを重視した秋山の経営手法はビジネス界でも注目され、数々の経営賞を受賞している。

秋山の会社は、携帯電話やパソコンに入っている電子基板に不具合がないか調べる検査機器の製造・販売を手掛ける。
価格は1台1000万円。大手電機メーカーと世界シェアのトップ争いを演じる。
社員は60人、平均年齢30歳という若い会社だ。

大企業と互角に渡り合える秘密の一端がオフィスのレイアウトにある。
営業や経理と同じフロアに、製品を組み立てる工場が併設されている。
部門の壁をなくし、顧客の要望を即座に製品に反映させるためだ。

営業マンや技術者たちは、遠慮なく互いの仕事場を行き来し、意見を交換する。
それが、技術開発や顧客への対応といった場面で、「スピード」という大きな強みを生み出す。

(プロフェッショナル仕事の流儀5より)

戦略とは「勝てる場の発見と勝てる条件づくり」である。
資本力では大企業に敵わない。
中小・零細企業は小回りとスピード、中堅になると専門性で勝負。
サキ・コーポレーションは、専門性とスピード双方で圧倒的に強い。

2008.05.08:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

佐藤章のプロフェッショナルとは

テクニカルな人じゃなくて愛情がある人ですね。
心が動くというか、「あのブランドと食らいたい」と人に思われるようなブランドをつくれる人はプロだと思う。

モノを生み出すという作業は、それくらい魂が動かされるような、精神的要素のあるものなんです。
それがなければ、人々が憧れを寄せるブランドには行き着かないでしょう。

いつの時代になっても身の回りにおいておきたくなるものに挑み続けていくことが、プロの仕事ではないでしょうか。

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.05.07:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

ヒット商品を生み出す秘訣

ヒット商品をつくれるかどうかということは、人をハッピーにしてあげるかどうかですね。
例えば、スポーツで、いい場面を見せてもらうと感動しますよね。
開発は、ともすると自己満足に陥りがちなので、お客様がハッピーになれるかどうかを常にチェックする必要があります。

開発者のスタンスとしては、まずは自分を素直に表現することでしょう。
そのためにも、どんどん言葉を書いて欲しい。
言葉は僕らの武器ですから、自分で感じたことをどんどん書き出して攻めて欲しい。

By佐藤章

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.05.06:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

人を育てるために大切なもの

人を育てるために大切なものを挙げるとすれば、「正・反・合」だと思います。
自分の仮説を「正」とすると、それには必ず「反」がある。
その「正」と「反」が刺激し合うことで、「合」が生まれる。

そして「合」から「正」を生み出すと、それにはまた「反」がある。
そのようにして、価値を昇華させていくのが理想ですね。
最初は粗末なものでも、どんどんキラキラしてくるんですよ。

By佐藤章

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.05.05:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

どん底の時代をどう過ごしたか

営業から商品開発へ異動したばかりのころは、かなり地獄でしたね。
仕事はうまくいかず、落ち込んだ日々を過ごしていました。
苦しさを避けるために、決められたことだけをこなす日々でした。

商品開発で力を出せずにいた佐藤を変えたのは、一週間のドイツ研修だった。

あのドイツでの一週間がなかったら、今の自分はありえないですね。
僕を変えた言葉、「おいしいビールは、つくるんじゃない。醸し出すんだ」
つくるんではなく、いい環境ときっかけを与えてやれば、自ずといい味が醸し出されてくる。

それまでは「つくる」というのは自分で何かを生みださなければという焦りがあったんですが、
逆に「引き出せばいいんだ」と。
自分がコーディネートするのも開発なんだと思った瞬間に大きく変われた。

性格も変わりました。一言でいえばポジティブになりました。
人のせいにしなくなって、あれもこれもやってみようとか、自分がやりたいことをやっているのだから本望だと思えるようになった。

ヒット商品は狙ってつくるものではなく、伝える思いが強ければ強いほど多くの共感が得られる。
そんな人間っぽさが大事だということにも気づかされました。

By佐藤章

(プロフェッショナル仕事の流儀4より)
2008.05.04:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]