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答えを教えないのはなぜか

教わった答えはすぐに忘れてしまうんですよ。
ところが、教えてくれないとなると、逆にすごく気になるわけです。

答えを探そうと、家で調べたり、答えを聞きたがる子も出てきます。
これを私は、「カレーライス方式」と呼んでいます。

カレーは寝かせたほうがおいしくなりますよね。
それと同じで、答えもじっくり考えさせたほうが身につくんです。

自分で調べた結果、間違った答えに行き着くこともあります。
それでも、何かを調べるという過程ですごく頭を使います。

そこが重要なんですね。
それに、間違いを修正することは、友達と話し合う中で十分に可能です。

By田尻悟郎

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.25より)

2008.08.22:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

一対一で向き合う

田尻の授業には名物がある。一対一で行う口頭の小テストだ。
生徒一人ひとりと直接話すことで、やる気を引き出し自信をつけさせる。

一定の数の小テストをクリアすると、その生徒は先生役となり他の生徒のテスト
を一対一で行う。
そこでは生徒同士の教え合いが始まる。

その間に、田尻は、授業に積極的でない生徒たちを一人ひとりまわり直接指導する。
とことん面倒を見るぞ、というメッセージを伝えるjことで、生徒の心の扉を開
くのだ。

コミュニケーションを図るのは授業中だけではない。
放課後も、英語に興味をもてない生徒をつかまえ、積極的に話しかける。
希望する生徒がいたら小テストを受け付け、じっくりと向き合う。

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.25より)
2008.08.21:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

答えは自分で見つけさせる

田尻は、時折授業の中で、まだ教えていない言葉の意味を問いかける。
「May I ask はどういう意味? ハイ、スタート!」

田尻は、とにかく自力で調べるよう、生徒をけしかける。
生徒が答えを見つけるまで、待ち続ける。

生徒たちは、わからないから自分たちで必死で探してくる。
そうして見つけた答えなら、簡単には忘れない。

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.25より)
2008.08.20:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

英語を好きにさせる魔法の授業

田尻は、授業を始めても教科書をいきなり開かせない。
配ったのは人気アニメキャラクターが描かれたプリント。
この日の授業のテーマは、新しく教える疑問詞の「who」。

説明もせずに、いきなり英語で質問を始めた。
「Who is this? Raise your hand! It's....?」

一人の生徒が恐る恐る「It's...たこやきまん」と答える。
田尻は満面の笑みで大きくうなずく。「Very good!」

ゲームだとわかった生徒たちは、一気に乗ってきた。
声をあげ、競って手を挙げる。

生徒が答えを間違えると、田尻は全身で残念がる。
正解すると破顔一笑、大きなリアクションで盛り上げる。

生徒を心から楽しませるこのゲームは、授業を始める前の準備運動。
教室の熱気が最高潮に達すると、おもむろに教科書を開かせる。

会話の練習では、クラスを4~5人のグループに分け、
例文とともに生徒たちに英文を考えさせ、読みあげさせる。

そして、読みあげる時間をストップウォッチで計り、グループで競争させる。
他のグループに負けまいと、皆、必死になる。

競わせ、夢中にさせることで、勉強であることを忘れさせる。
それによって英語を身近なものにしようというのが、型破りな授業の狙いだ。

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.25より)
2008.08.19:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

マジシャンと呼ばれる中学校教師

島根県八束郡出雲町。この町の中学校が、英語教育界の熱い注目を集めている。
教室でカルタ取りに興じる中学生。英単語を当てるれっきとした英語の授業だ。

授業が終わっても生徒たちは教室に残る。友達同士の英語の教え合いが自然と始
まる。
「勉強なのに、どうしてこんなに一生懸命なるんだろう」。生徒自身が不思議そ
うに語る。

生徒たちを虜にするのは、英語教師・田尻悟郎。人呼んで英語のマジシャン。
2001年、英語教育界最高の栄誉とされる「パーマー賞」を受賞した。

講演会や研修会を開けば、授業の秘密を知ろうと現役教師が押し寄せる。
教師たちは「これまで、自分は何を教えていたのか」と斬新な授業に衝撃を受ける。

プロの教師をも驚かせ、子どものやる気を魔法のように引き出す田尻の授業。
その陰には、人生の壮絶な失敗があった。

(プロフェッショナル仕事の流儀9 File No.25より)
2008.08.18:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]