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選手から反発を受けて

アメリカから帰って、母校から短距離の指導要請がありました。
自分がアメリカでつかんできた新しい走り方を、学生たちに試してほしかった。

しかし、「いきなり新しい走り方をやれと言われても、全然結果に結び付かない」
と反発を受けました。
私も頑固だったので、ダメだと言い続けましたから、結構摩擦がありました。

部員全員がミーティングを開いて、「自分の理論を押し付けすぎる」と宣言されたときは、こたえました。
本気で辞めようと考えて、監督にも伝えました。
逃げ出したい辛さでしたね。

結局は辞められませんでした。辞めてしまったら、きっとその方がつらいだろう。
ここで逃げ出したら、自分が陸上の世界で積み上げてきたものにどうやってけじめをつけるのか。
そう考えたら、ここで逃げ出すわけにはいかないと思ったんです。

By高野進

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.33より)
2008.12.09:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

どうすれば限界を越えられるか

それは、じつに単純なことで、興味や関心、あるいは好奇心を持てるかどうかです。
好奇心がとめどなく湧いてくるうちは、限界などありません。

好奇心を保ちつづけるためには、コミュニケーションをたくさん取ることです。
一人で考えていると、すぐ壁にぶつかってしまいます。

一つのテーマを突き詰めてもいいのですが、できるだけ様々な人と縦にも横にも広がるようなコミュニケーションをしていくと、その中からいいヒントが出てくるものです。

By高野進

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.33より)
2008.12.08:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

なぜ人間力が必要なのか

選手は、ただ「足が速いだけではダメ。
「アスリート(競技者)」、「アーティスト(芸術家)」、「アドベンチャラー(冒険者)」、「アクター(演技者)」であるべきだと思っています。

アスリートの純粋な気持ちで、アーティストとして自己表現をし、まだ到達していない世界に冒険心を持って挑む。
そして、将来を見越して少しだけ背伸びするように自分を演じることが重要です。

By高野進

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.33より)
2008.12.07:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

記録が伸びるとき

非常に不思議なのですが、本当に急に伸びるのです。
一つのレースの前後では、別人になるんです。

おそらく、それまで引っかかっていた何かがとれて、
試合でいきなりうまくかみ合うのでしょう。

私の場合、まさにその連続でした。
試合本番になると、練習では出せない力が出せるんです。

ただし、本番で緊張して力が出せない選手の方が多いのも事実です。
これは教えてどうすることもできないですね。

By高野進

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.33より)
2008.12.06:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

100分の1秒を争う感覚とは

走っている時の感覚は一定ではありません。
あるときは止まっているように感じるし、あるときはポンっと過ぎていくし・・・。
スタート直後の数歩はすごくよく覚えているのに、そのあとからゴールのことは全く覚えていなかったりと、すごく記憶が飛ぶんです。

そして、ほんのわずかなタイム差でも、よい時と悪い時との差はわかります。
100分の1秒でも、ほぼくるいのない差で当てることができます。
それだけ研ぎ澄まされた感覚はあります。

By高野進

(プロフェッショナル仕事の流儀11 File No.33より)
2008.12.05:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]