この仕事を始める前は、りんごを実らせるだけではなく、どこで買ってもらえるかまで考えなければなりませんでした。
まずは、りんごを実らせてみようと、階段を上がるような気持ちでやってきたんです。
経済的には、売上金額は重要ですが、そこから費用を差し引いて残る金額を大きくできれば持続できるのではないかと考えました。
私の場合は、手作業で用が足りているし、働き手も家族だけだから、コストはよその数割でしょう。
それに、生産量は一般の八割ですが、虫や鳥による被害が少ないのでカバーできています。
どんなすぐれた栽培方法でも、それで生活ができなければ続けることができません。
しかし、このやり方で経済的にも軌道に乗せられることがわかった。
いまでは、この栽培方法をみなさんにお勧めしているわけです。
By木村秋則
(プロフェッショナル仕事の流儀13 File No.35より)
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奇跡のりんごづくり
りんご生産量日本一の、青森県弘前市。
朝五時半、木村さんの一日は、いつも一杯のコーヒーから始まる。
コーヒーを飲みながら、天気予報をチェックし、軽トラックで岩木山の麓にあるりんご畑に向かう。
畑に来るとまず、木に声をかけて回る。
「よく頑張ったよ」「ありがたい」
そう呟きながら、そっと木に手を当てる。
りんごは、病気や害虫にきわめて弱く、農薬を使わない栽培は不可能だといわれてきた。
しかし、木村さんは、化学薬品を一切使わず、たわわにりんごを実らせる。
木村さんのりんごづくりは、一つの信念に貫かれている。
「育てない」
私は、栽培ということではなくて、ただ、りんごが育ちやすい環境づくりのお手伝いをしているだけです。
(プロフェッショナル仕事の流儀12 File No.35より)
朝五時半、木村さんの一日は、いつも一杯のコーヒーから始まる。
コーヒーを飲みながら、天気予報をチェックし、軽トラックで岩木山の麓にあるりんご畑に向かう。
畑に来るとまず、木に声をかけて回る。
「よく頑張ったよ」「ありがたい」
そう呟きながら、そっと木に手を当てる。
りんごは、病気や害虫にきわめて弱く、農薬を使わない栽培は不可能だといわれてきた。
しかし、木村さんは、化学薬品を一切使わず、たわわにりんごを実らせる。
木村さんのりんごづくりは、一つの信念に貫かれている。
「育てない」
私は、栽培ということではなくて、ただ、りんごが育ちやすい環境づくりのお手伝いをしているだけです。
(プロフェッショナル仕事の流儀12 File No.35より)