「覚悟をもって、攻める」
海獣医師・勝俣悦子の流儀は忘れられない失敗から生まれた。
アイスランドからやってきたシャチの「カレン」。
日本の夏に弱く、気温が上がるたびに体調を崩し、病気がちだった。
10年の冬、カレンがまた体調を崩した。
勝俣は、またいつもの感染症と診断して、投薬を始めた。
しかし、カレンは具合がよくなったと思うと、また元気がなくなる。
薬が効いているのか、効いていないのか、若い勝俣には判断がつかない。
迷いの中で、そのまま治療を続けた。よくなっていると信じたかった。
4ヶ月後のことだった。カレンの容態が急変し、息を引き取った。
よくなっているだろうという甘い希望が、必要な治療を遅らせ、手遅れとなった。
(プロフェッショナル仕事の流儀13 File No.36より)
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消去法による意思決定
海獣の治療は、本当に難しい。
一番の理由は、わかっていない部分がとても多いということ。
「こういう状態だから、こうしなければならない」と判断できることが少ないんです。
それでもどうにかしなければいけないので、よく消去法を使います。
「これとこれとこれが考えられる。たぶんこれは違うだろう。これも・・・。」と考えていって、
最後に残った方法で処置を始めるわけです。
それでも、決めた次の瞬間に、違うと思って方針をがらっと変えることもあります。
朝令暮改どころではありません。
そんな経験を積むに従って、病気いになっても早いうちに対応すること、
さらには病気にしないことが得策であるとわかってきたんです。
今では、予防的な部分に力を注ぐようになっています。
By勝俣悦子
(プロフェッショナル仕事の流儀13 File No.36より)
一番の理由は、わかっていない部分がとても多いということ。
「こういう状態だから、こうしなければならない」と判断できることが少ないんです。
それでもどうにかしなければいけないので、よく消去法を使います。
「これとこれとこれが考えられる。たぶんこれは違うだろう。これも・・・。」と考えていって、
最後に残った方法で処置を始めるわけです。
それでも、決めた次の瞬間に、違うと思って方針をがらっと変えることもあります。
朝令暮改どころではありません。
そんな経験を積むに従って、病気いになっても早いうちに対応すること、
さらには病気にしないことが得策であるとわかってきたんです。
今では、予防的な部分に力を注ぐようになっています。
By勝俣悦子
(プロフェッショナル仕事の流儀13 File No.36より)