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新しいものをつくるために大切なこと

先人への思いやり、そして古きをたずねることだと思います。
それによって新しいものが生まれてくるのです。

過去を捨てたり否定することは絶対に避けなければなりません。
庭というのは、先人から受け継いで次の人に渡していくものです。

だから「庭づくりは人づくり」なんです。
次の時代のために人を育てること、これは宿命です。

By北山安夫

(プロフェッショナル仕事の流儀14 File No.40より)
2009.01.31:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

己を出さずに、自分を出すとは

己と自分の違いは、私なりの言葉の使い分けです。
「自分」には敬愛の意味が含まれていて、自分を愛するということ。
一方、「己」には利己的な「我」を表している。

要は「我」を引っ込めなさいということですね。
そういうメリハリをつけた方がいいと思っているんです。

By北山安夫

(プロフェッショナル仕事の流儀14 File No.40より)
2009.01.30:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

庭の修復になぜ10年も要したのか

400年経っている庭に、自分の感性や思いだけで手を入れてしまったら、庭をつぶしてしまう恐れがあります。
一度つぶしたら、なかなか元には戻りません。
だから、401年目へと続けるためにはどうしたらいいかと考えるには、10年でも短いくらいです。

住職から怒られて目から鱗が落ちました。
木を切るにしても、生命の尊さを感じ、感謝して切っているかどうかなんです。

By北山安夫

(プロフェッショナル仕事の流儀14 File No.40より)
2009.01.29:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

偶然は必然

最初の三年間は本当に仕事がなくて、ものすごく暇でした。
当時の自分は、とにかく自信満々だったのですが全く仕事が来ない。
自分が情けない、この仕事は自分には向いていないのではないかとも疑いました。

でも、たまたま小堀遠州が手がけた庭の仕事がきて、自分はついていると思いました。
この世に偶然はないと思っているんです。どんなことにも必然性があると・・・。

結果的に、この仕事は自分にとって運命の出合いというか、一生の宝となりました。
あのとき、私は小堀遠州になり代わって修復をしたいと思ったんです。
我を一切捨てて、先人の意をくんだ自分になった上で、その自分の生かすことを学びました。

By北山安夫

(プロフェッショナル仕事の流儀14 File No.40より)
2009.01.28:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

北山安夫のターニングポイント ~つづき~

2年をかけて丁寧に落ち葉を取り除くと、遠州の石組が姿を現した。
その調和のとれた美しさに圧倒された。

遠州の技術を自分のものにしたいと強烈に思った。
遠州に関する古文書を探し出し、必死に読んだ。

そして、修復にとりかかった。
ようやく納得のいく庭ができたときには、10年の歳月が流れていた。

いにしえの姿を取り戻した遠州の庭。
それはただ淡々と自然に溶け込んでいる簡素な庭だった。

声高に主張していないのに、遠州らしさが匂い立つ。
北山は、そこに庭師の極意を見た。

~己を抑えてこそ、心は伝わる~

(プロフェッショナル仕事の流儀14 File No.40より)
2009.01.27:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]