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鹿嶋真弓のプロフェッショナルとは

情熱が第一条件。でも、そこに技がなくてはいけない。
そして、立ち止まることなく、いつも研究し続けている現在進行形の人ですね。

(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No44より)
2009.04.01:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

人が成長するために必要なこと

やはり、人は一人では成長できないと思います。
集団の中で癒されて成長していくのだと、本当に感じます。

つらいときに「つらい」、苦しい時に「苦しい」と言える人間関係。
つらくて、苦しくて、この状態から逃げ出したいのは自分だけと思っていたけど、
自分だけがつらいんじゃないんだと、自然に思えてくるんです。

苦しい中で頑張っている仲間を見て、エネルギーをもらったり、
自分もエネルギーをあげていたんだと気づき、仲間っていいなと思える。
そんな体験をたくさんすることが大切なんだと思います。

By鹿嶋真弓

(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No.44より)
2009.03.31:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

クラスの変化はいつ訪れたのか

兆しが見えたのは、二ヶ月くらい経ってから。
「内観」(自分が小さかった頃、親にしてもらったこと、してかえしたこと、迷惑をかけたことについて思いだす作業)の時ですね。
すぐには良くならなくても可能性は見えたから、そこでどうにか踏みとどまることができた気がします。

決定的に変わったという実感がわいたのは、運動会の時でしょうか。
クラスの生徒全員が横一列に並んで、自分の足と隣の子の足を結んで一斉に走る種目でした。

うちのクラスが一位になったんです。
ゴールした瞬間、みんなが私の方を向いて「先生、うれしい? うれしい?」って聞くんです。

その後も色々ありましたが、最終的には、とても居心地のいいクラスになりました。
お互いに自分を語っても受け入れてもらえるという体験を、積んできたからでしょう。
「言っても大丈夫。受け入れてくれる人がいる」「人が言ったことを私も受け入れる」というキャッチボールを、どの子もできるようになりました。

By鹿嶋真弓

(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No.44より)
2009.03.30:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

学級崩壊に打ち砕かれた自信②

かっては体当たりでぶつかると、反発も含め何かが返ってきた。
しかし、ここでは、相手にされない上に、生徒同士も仮面をかぶっているように本音を話さない。

人として認められない。全く歯が立たない。
自信を打ち砕かれた鹿嶋は、布団で泣き、トイレで泣いた。
「教師やめますか、人間やめますか」というところまで追い詰められた。

悩み抜いた鹿嶋は、一つの手を打った。
生徒たちに内緒で書いてもらった親からの手紙。
生まれてからどのように育て、見守ってきたのか、その思いに触れるのは、ほとんどの生徒が初めてだった。

生徒たちは照れながら読んできたが、次第にあふれてくる思いを抑えられなくなった。
互いに手紙を見せ合い、話しを始めた。
生徒同士のコミュニケーションが芽生えてきた。

鹿嶋はその後も、生徒同士を近づけるための授業をやり続ける。
生徒たちは仮面を少しづつ脱ぎ捨て、本音で話し合うようになった。
すると、自分勝手な行動が減り、授業も成り立つようになった。

「人と関われば、人は育つ」
鹿嶋は一つの信念を抱いた。

(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No.44より)
2009.03.29:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

~鹿嶋真弓のターニングポイント~「学級崩壊に打ち砕かれた自信」①

鹿嶋は、小学校時代の恩師に憧れて教師の道に進んだ。
校内暴力が問題になりはじめた時代。

赴任した二校目で、初めて荒れたクラスを受け持つ。
授業中、生徒が教室を抜け出すのは日常茶飯事、いじめも起こっていた。
若い鹿嶋は、なりふり構わず生徒に向かっていくしかなかった。

生徒をどこまでも追いかけ、いじめる子には泣きながら訴えた。
一日おきに学級通信を出し、生徒や保護者に自分の信条を訴えた。
次第に、いじめも教室からの抜け出しもなくなった。
鹿嶋は、”女金八先生”と慕われるようになった。

さらに、30代後半、新しい教育法エンカウンターを学び、意欲的に実践し、教師としての自信を深めていった。
その自信が打ち砕かれたのは、40歳で4つ目の中学校に移ったときだった。

意気揚々と担任のクラスに向かった鹿嶋は、教室に入るなり、激しい罵声を浴びせられた。
「うざいよ、ババア」「失せろ」

生徒たちが、机の上を走り回り、理科の実験では、火のついたマッチが飛ぶ。
学級崩壊が起きていた。

鹿嶋は、「立て直してみせる」と意気込み、来る日も来る日も生徒たちに熱く語りかけた。

つづく

(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No44より)
2009.03.28:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]