HOME > 記事一覧

「老いのうぶ声」

御茶ノ水女子大学名誉教授の故波多野完治先生は、八十歳から俳句を始められ、九十二歳ではじめて句集を出された。その書名が「老いのうぶ声」というのである。

あとがきの中で、波多野先生は、中高年になってから新しい事項を学習するには「先生」は絶対必要である。しかし、その先生を選ぶにはよほど慎重にことを運ぶ必要があると、いっておられるが、これは確かにそうである。

日本の先生は、生徒を自分の思う型にはめようとやっきになって、楽しさを奪ってしまう人が案外多いからだ。

(「縦糸横糸」より)

2006.11.16:反田快舟:コメント(0):[自分を見つめる]

「日本人に必要なもの」

日本人は特定の神や宗教を信じていなくとも、その生活の中に宗教が混じりこんで生きている国民である。
ご飯粒ひとつを大切にするような生き方の中に、その宗教性が認められた。
しかし、近年は日常生活の変化と共に長い間、半意識的に保持していた宗教性を失いつつある。

グローバリゼーションぼ波が強く押し寄せてくる中で、日本人が宗教について考えてみることは絶対に必要と思われる。
それについて考えるとき、河合河合隼雄、加賀乙彦、山折哲雄、合庭惇「宗教を知る 人間を知る」(講談社)は参考になる。

(「縦糸横糸」より)

2006.11.13:反田快舟:コメント(0):[自分を見つめる]

「奪われる日本」

郵政民営化はなぜ実施されたのか?
建築基準法はなぜ改正されたのか?
医療改革で自己負担が増え続けるのはなぜか?
司法改革はなぜ行われるのか?
独禁法改正で談合の摘発が続発するのは?・・・。

そこには恐るべきシナリオがあったのです。
「年次改革要望書」というのを聞いたことがありますか?
実は、私も全く知りませんでした。
それは、アメリカによる日本に対する「規制改革要望書」なのです。
背景には外資というアメリカ資本の圧力が・・・。
そして、それは、ほぼそのシナリオどおり進んでいるのです。
このままでは、「弱者」が切り捨てられ、「中小企業」が切り捨てられ、「地方」がが切り捨てられ、「弱肉強食」の非情な日本になりかねません。

「奪われる日本」(関岡英之著・講談社現代新書・700円)を一人でも多くの人に読んでいただき、行動を起こさねばならないと決意しました。是非、ご意見をお寄せください。
2006.11.10:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

「引きこもりの効用」

引きこもりが増えている。しかし、人間にはある程度の引きこもりが必要だ。一人で誰にも邪魔をされず、ぼーっとしたり、それによってストレスを解消したり、新しい考え方や力が生まれてきたりする。

ただ、それをどのような方法でいつするかが問題なのである。お勉強やお稽古に熱心な母親は、子供に必要な引きこもり権を奪っていることに気がつかない。それを奪われた人は成人になってから、高利子つきの借金を返すように、相当な引きこもりにならざるをえない。

引きこもりの障害を予防したい人は、子供のときから上手に、時には非合法すれすれに引きこもりを経験しておくことである。

(縦糸横糸より)
2006.11.09:反田快舟:コメント(0):[自分を見つめる]

「信念が生む愚行」

ある親が自分の子供を一流大学に入れようとして、幼稚園のときから色々と苦労を重ねる。子供がやっと望みの大学に入って大喜びしているとき、子供は人生に疲れ果て孤独に耐えられず自殺してしまう。

この親は、子供の幸福を願ってというが、一番根本にあるのは、親の不安である。自分に自信がない。その不安を解消するために、すべての期待を子供にかけたのだ。かくて、子供は自分の個性を親の願望によって破壊されたのである。

自殺にまで追いやらずとも、自分の不安をごまかすために、何らかの破壊を行なっていないか自己点検する必要がある。不安を他に転嫁するのでなく、自分の中にある不安や悪の存在を、しっかりと見つめる義務があると思う。

(縦糸横糸より)

2006.11.08:反田快舟:コメント(0):[自分を見つめる]