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「生き方と食事、スローフードについて」

スローフード運動が起こっている。日本スローフード協会によると次の三つの指針を掲げている。

1.消えゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、ワイン(酒)を守る。
2.質のよい素材を提供する小生産者を守る
3.子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。

佐藤初女さんは、ともかく訪ねてきた人に、心のこもった食事を食べていただくことだけを目的に「森のイスキア」をつくった。彼女は、次のように言う。

生き方と食事には、
不思議なつながりがあるって考えてるの。
素材の命を生かすような料理をすれば、
人も生かされるって。

自殺をすると決めていた青年が、森のイスキアを訪ねた。佐藤さんに会ってみても別に有り難い話があるわけではない。しかし、帰りにいただいた、にぎりめしを食べたとき、青年はあまりのおいしさに、「生きよう」と思ったという。

佐藤さんは、さらに言う。

一緒に食べることは、
深いところでこころが通い合えるのです。
おなかが満たされてくると、
自然に感謝の気持ちが湧いてきて、
次には、他人に何かしてあげたくなるもののようです。

(「縦糸横糸」より)
2006.11.20:反田快舟:コメント(1):[仕事の流儀]

「教育非常事態」

 演出家の宮本亜門さんが、自らの引きこもり体験を振り返りながら語っている。「学校は社会に適応する訓練の場ではなく、自分で考え、成長できるところであって欲しい」。高2の頃、宮本さんは1年間自分の部屋に閉じこもって片っ端からレコードを聴き、感動して涙を流していた。一年後登校を再開すると演劇部に入り大活躍。卒業式で答辞を読むまでになった。
 また、数学者の森毅さんは「みんな一緒に、という『仲間イデオロギー』が曲者なんや。いじめ問題なんかここから出てくる」。しかし、相変わらず学校は標準化志向。妙な協調性ばかり大事にするから軋みが生じるのだという。
 いま「教育非常事態」だという。だからといって学校を護送船団方式で管理すると、はみ出し者はますます居場所を失ってしまう。

(日経新聞11/19朝刊・春秋より)

2006.11.19:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

「プロの気遣い」

プロフェッショナルの原意はラテン語で「前もって宣言する」。サービス精神ともいえる相手への配慮が潜在する。自分の価値観を押し付けるのは、アーティストであってプロではない。スポーツのプロは一定のルールに沿いながら、相手やファンなど周囲に自分の魅力をわかりやすく伝えられる人を指す。いくらプレーが上手でも気遣いができない人は孤立し、独りよがりになっていく。

(日経新聞「交遊録」日本ラグビー協会理事 平尾誠二より)
2006.11.18:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

「ボトムアップのうねりを起こせ」

IBMでは、世界の社員、取引先や社員の家族までが参加するオンラインセッション(通称Jam)を開催している。イントラネットを使った大規模なチャットのようなものである。この仕組みの特徴は、地位の高い人や声の大きい人が勝つという通常の会議の力学が働かない。誰が言ったかではなく、何を言ったかがすべてなのだ。Jamから生まれた成果は、参加した人が自分たちで決めたという意識があるから、浸透度が高い。ITを使ったボトムアップの仕組みとして有効に機能している。日本の価値や国のあり方を考える「ジャパンJam」のようなものを実施したらどうだろう。21世紀はボトムアップで物事を考え、世の中を動かす時代なのではないか。

(日本IBM専務・内永ゆか子・日経ビジネス「終わらない話」より)
2006.11.17:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

「子供の芽摘んでない?」

サッカーは日本に浸透しつつあるが、まだサッカー先進国とはいえない。
例えばヨーロッパの少年少女サッカーでは、全員が均等に試合に出場できるが、日本では、補欠で出番がない子供たちがどれほど大勢いることか。

誰だってトレーニングよりゲームが好きだ。ゲームがあるからトレーニングをする。そのゲームの機会を子供から奪う異常さに気がつかない。大事なのは、大会運営者、審判、指導者、引率者など、もっと多くの大人たちが子供たちに関心をもち、誰もがゲームを楽しめる環境をつくることだ。

また、指導に関しても、子供中心のトレーニングやゲームになっていない。大人が100%コントロールする。判断力の質の高さは選手の質の高さ、なのに外から大人たちが、「走れ」「シュート」と指示ばかりする。

また、子供たちのトライ&エラーに対し「何してんだヨ!」と罵声を浴びせる。子供たちはやがて自分で判断をしなくなり、チャレンジ精神を奥深くに隠すだろう。大人は「子供たちの素晴らしい部分を奪ってしまっているのではないか」という気持ちを持つべきなのだ。

(11/14日経朝刊・スポートピア・Jリーグ千葉GM祖母井秀隆)より

2006.11.16:反田快舟:コメント(0):[自分を見つめる]