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細部にこそ神は宿る

杉野さんがこだわるのはチョコレートのつや。
少しでも冷まし過ぎると塊ができる。
熱いとつやは生まれない。最高の状態は一瞬。
チョコレートの粘り気だけで、かけるタイミングを判断する。

「この一瞬をのがすと商品にならない。綱渡りみたいですが、その中に本当のおいしさがあるんです」

杉野さんは、味に直接関わる仕事は絶対に人任せにしない。
この日は赤スグリのムース。
急に作業を止め、氷水に手を突っ込んだ。
絞るとき手の体温が少しでも伝わると、赤スグリの果汁がムースから溶け出てしまう。
細かなことを諦めるか諦めないか。
細部にこそ、神は宿る。

(プロフェッショナル仕事の流儀1より)
2008.01.27:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

人を幸せにする菓子

その男の菓子は、本場フランスで「ほかのどこにもない菓子」と呼ばれる。
パティシエ・杉野英実。15年前、日本人として初めて、世界の菓子職人の頂点に立った。

杉野が目指す菓子。それは、単においしいだけの菓子ではない。
「人を幸せにする菓子」。
その違いは何から生まれるのか。

この日、杉野が最もこだわったのは、ジャムの隠し味のショウガ。
「切り方が粗い。自分で食べてごらん。これだけの厚さで。 どう感じる?」
素材の微妙な厚みの差で、味のバランスが崩れる。

「ほんのちょっとしたことなんですけど、一番おいしいところがブレてしまうとゼロです」
「当り前のことが一番難しい」
杉野が一番大切にしている言葉である。

(プロフェッショナル仕事の流儀1より)

当り前のことを、当り前にできるようになる。
その、当り前のことがわかっていないことが多い。
2008.01.26:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

プロフェッショナルとは

プロフェッショナルに必要なのは、自分の仕事に対する誇りと責任です。
先ず、誇りを持たなくてはいけない。誇りだけで責任がとれない人はダメです。
それをしようと思えば、やっぱり努力しないといけない。

本当の意味でのプロになるためには、自分の仕事に時間を割いて、
他のことを犠牲にする必要があると思うんです。
みんな、持っている時間は同じだから、そこまで集中しないと、その道のエキスパートにはなれない。
自分が才能がないと思うのなら、もっともっと時間をかけないと。

努力は、人のためではなく自分のためにするもの。
自分は努力していますよと言っている間はプロじゃないと思う。
何も言わなくても、見た人がすごいと思ってくれるのが本当のプロでしょう。
By佐野俊二

(プロフェッショナル仕事の流儀1より)

自分が才能がないと思うなら、もっともっと時間をかけないと。
努力できることが才能である。

2008.01.25:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

プレッシャーに打ち勝つ方法

人の命を預かることのプレッシャーは、もちろんあります。
5000回以上の心臓手術をしてきましたが、わずか1ミリの失敗で死に至ることがあるんです。
どれだけ経験を積もうとも、やはり手術は怖い。

だから、気持ちを十分に準備しておく必要があります。
「ビーケアフル(注意しろ)」、「ジェントル(優しく)、ジェントル」と頭の中でつぶやくのです。
うっかりそれを忘れた時には、思い出しながらやります。

プレッシャーに耐える方法を教えることはできません。
自分で克服するしかないんです。ただ、その手伝いはします。
経験の浅いうちからものすごいプレッシャーを与えたら、誰でもダメになってしまう。
だから、プレッシャーは少ずつ、段階的に与えるようにしています。

きちんと段階を踏めば人は育つと思うのですが、
実際には、そのように育ててもらえない人がたくさんいるわけです。
そして、重圧に耐えられず失敗したりして多くの人が辞めてしまったりするんですね。

これだけのプレッシャーがありながら私が心臓外科医を続けているのは、
患者さんから信頼されて、命を任せるといってくれるからです。
それが力になるんです。
By佐野俊二

(プロフェッショナル仕事の流儀1より)

人を育てるのも、潰すのも人。

2008.01.24:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

どうすれば人は育つのか

人を育てるのは、すごく時間がかかるし、難しい。
手術のときも、自分でするのが一番です。それが一番早いし、リスクも少ない。
一方、人に任せて、切るところを間違えたら、それを直さないといけないわけです。
その方がずっと難しい。しかし、それでもどこかで任せなければ人は育ちません。

任せることで自分の腕も上がるんです。
人を教えれば教えるほど、自分のレベルも上がっていきます。
問題は、どこまで我慢するかですね。
信頼されていると感じたなら、人は期待に応えようと努力します。
By佐野俊二

(プロフェッショナル仕事の流儀1より)

ここまでぎりぎりの選択や判断を迫られたことはありません。
任せて、胃が痛くなる程度は序の口なのでしょう。
我慢と限界の判断。これを知っているか知らないかで大きく違う気がします。
2008.01.23:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]