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行動してこそ偶然に合える

人間の脳は、本当に不思議な能力を持っている。
「欠点が長所になる」というのもその一つである。

例えば、コミュニケーションこそが人間の知性の本質である。
だからといって、スムーズに他人と折衝できる人だけが大成するわけではない。

弁護士は言うまでもなく、人と面談し折衝するのが仕事の大部分を占めている。
人づきあいが苦手というのは致命的のように思えるが、宇都宮さんのように欠点を逆手にとって、他の誰も生み出し得なかった仕事の流儀を確立する人もいる。

そのような独自のスタイルが、人づきあいが苦手であるという欠点を克服するところから生まれているという点に、しみじみと味わうべき人生の真実があるように思う。

社会は一つの複雑な生態系である。多様な人間がいて、いろいろな仕事がある。
自然における生態系の中に様々なニッチを占めるユニークな異彩を放つ生物がいるように、どんな人でも、必ず自分にあった居場所を探すことができるはずである。

By茂木健一郎

(プロフェッショナル仕事の流儀2より)

じつは私も人づきあいが苦手でセールスに挫折した経験がある。
それを克服し、これまでやってこれたのは、できるだけ人に会わないでセールスする方法をひたすら考えたこと。
訪問より電話、電話より手紙。特に手紙は、こちらの言いたいことが確実に伝わる最高のコミュニケーション手段だ。
今の時代にこそ、手紙の威力は増しているのではないか。

2008.02.27:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

宇都宮健児のプロフェッショナルとは

プロフェッショナルとは、弱者のためにとことんやる人、徹底的にやっている人だろうと思います。
もう少し広く考えれば、「他人のために頑張れる、一生懸命に仕事をやっている人」。

私の分野だと、かなり徹底してやらないとダメですね。
目の前の人の救済に終わるのではなく、そういうものを生み出す社会構造や、
背後に隠れている何百万もの多くの被害者に思いが及ばないと、その救済活動も不徹底になると思うんです。

ですから、プロフェッショナルとは、社会的責任をどれだけ自覚しているかということ。
当然、仕事の誇り、倫理観を持っていないといけない。

(プロフェッショナル仕事の流儀2より)

プロフェッショナルの道は遠くかつ険しい。
休まず歩んで行けばいつかはたどり着けるか?
たどり来ていまだ山麓かもなあ・・・。
2008.02.26:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

人は何のために働くのか

私自身、非常に尊敬するのは自分の両親なんです。
父親は傷痍軍人で、私の兄弟はその恩給で大学まで行くことができました。
両親はミカン農家をやっています。

山を開き畑にして、麦や芋、野菜をつくり子どもを育てた。
どんなに仕事がつらくても、泣き言一ついわないで黙々と働いていました。
そういう親の影響をものすごく受けています。

親は、働く意味とかそんなことはほとんど口にしません。
ただ子どもたちのため。それが立派なことなんですよ。
ですから、自分の子どもには、弁護士を継げなんて言いません。

まず、自分で生活できること。
そして、少し周りに目を向けてん、本当に困っている人がいたら、それに目を向けてあげること。
人それぞれに、左官をやったり、大工をやったり、農業をやったりしている。
それが、すごく立派なことで、それが日本の社会を支えていると思います。

By宇都宮健児

(プロフェッショナル仕事の流儀より)

2008.02.25:反田快舟:コメント(1):[仕事の流儀]

人のためには強くなれる

弁護士はお金を儲ける職業ではありません。
もともと社会的なトラブルに介入して、それを解決するためにある。
社会的弱者や経済的弱者の救済と、その声を代弁する、
その人権を確立するのが弁護士の仕事だと思っています。

私自身、サラ金事件と出会って、それをやってきたことを誇りにしています。
困った人たちが頼ってくれて、自分が頑張らないとこの人たちが困る。
本来、弁護士はそういうものだと思うし、人間も本来そういうものかも知れない。

人のためにはすごく強くなれるんですよ。
自分のためやお金のためには、そこまで強くなれない。

(プロフェッショナル仕事の流儀2より)


2008.02.24:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]

人は性格に合った事件にぶつかる

普通、弁護士はイソ弁を3~4年やると独立して事務所を構えるのですが、
私は独立まで12年かかっていますし、2回もクビになっていますから落ちこぼれだったんですね。
一時は本当に田舎に帰って、農業を継ごうと思っていたんです。

それを変えたのが、最初のサラ金事件との出会いです。
ちょうど多重債務者が弁護士会に押し掛けるようになったころです。
当時は多重債務者を引き受ける人が少なかった。それで、田舎出の人の良さそうな私に仕事が回ってきた。

当時の私には事件がほとんどなかった、つまりこれをやるしかなかったのです。
分割で5000円、1万円の報酬でも、全くないよりありがたい。
それに、いざやってみるとすごくやりがいがあった。

その人の命や人生、そういうものを丸ごと引き受けて、こちらが衝立になって生活を改善できる。
最初は見よう見まねでしたが、強硬な取り立てに対して真っ向から対決して解決できたことは、
すごく自信になりましたし、やりがいという面からもだんだんのめり込んでいくことになった。
だから、弁護士というのは、どういう事件にめぐり会えるかが重要なのではないかと思います。
By宇都宮健児

(プロフェッショナル仕事の流儀2より)

評論家の小林秀雄は「人は自分の性格に合った事件にぶつかる」といったが、
宇都宮さんの人生はまさにそれだ。
目の前にあることから逃げずに、前向きに取り組むことが天職になるのだろう。
2008.02.23:反田快舟:コメント(0):[仕事の流儀]