ふり出しに戻る勇気

年が明けた一月。古澤は実験を一から洗い直すという決断に出た。
これまで積み上げてきた成果をいったん捨て、実験装置ややり方そのものを最初から見直すという。

「いいところまで来ているが、最終的な山に上るには難しいという判断です」
「戻るというより進歩なんですよ。これは」
リスクはある。しかし、攻めなければホームランは出ない。

全てを振り出しに戻して、チームは気の遠くなるような検証を始めた。
ある日のことだった。一つの計測機からかすかなノイズが検出された。
ノイズを取り除くフィルターをつけて計測してみた。
「あっ、!」「やった!!」「いったいったいった!!!」

これまででなかった特殊な光が検出され、大きな壁は越えた。
人類の未来を切り開く旅はこれからも続く。

(プロフェッショナル仕事の流儀2より)

常に限界に挑戦し続けている人達がいる。
自分は本当に挑戦しているのか。
2008.03.08:反田快舟:[仕事の流儀]

この記事へのコメントはこちら

※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。