細部にこそ神は宿る

杉野さんがこだわるのはチョコレートのつや。
少しでも冷まし過ぎると塊ができる。
熱いとつやは生まれない。最高の状態は一瞬。
チョコレートの粘り気だけで、かけるタイミングを判断する。

「この一瞬をのがすと商品にならない。綱渡りみたいですが、その中に本当のおいしさがあるんです」

杉野さんは、味に直接関わる仕事は絶対に人任せにしない。
この日は赤スグリのムース。
急に作業を止め、氷水に手を突っ込んだ。
絞るとき手の体温が少しでも伝わると、赤スグリの果汁がムースから溶け出てしまう。
細かなことを諦めるか諦めないか。
細部にこそ、神は宿る。

(プロフェッショナル仕事の流儀1より)
2008.01.27:反田快舟:[仕事の流儀]

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