杉野さんがこだわるのはチョコレートのつや。
少しでも冷まし過ぎると塊ができる。
熱いとつやは生まれない。最高の状態は一瞬。
チョコレートの粘り気だけで、かけるタイミングを判断する。
「この一瞬をのがすと商品にならない。綱渡りみたいですが、その中に本当のおいしさがあるんです」
杉野さんは、味に直接関わる仕事は絶対に人任せにしない。
この日は赤スグリのムース。
急に作業を止め、氷水に手を突っ込んだ。
絞るとき手の体温が少しでも伝わると、赤スグリの果汁がムースから溶け出てしまう。
細かなことを諦めるか諦めないか。
細部にこそ、神は宿る。
(プロフェッショナル仕事の流儀1より)
この記事へのコメントはこちら