演出家の宮本亜門さんが、自らの引きこもり体験を振り返りながら語っている。「学校は社会に適応する訓練の場ではなく、自分で考え、成長できるところであって欲しい」。高2の頃、宮本さんは1年間自分の部屋に閉じこもって片っ端からレコードを聴き、感動して涙を流していた。一年後登校を再開すると演劇部に入り大活躍。卒業式で答辞を読むまでになった。
また、数学者の森毅さんは「みんな一緒に、という『仲間イデオロギー』が曲者なんや。いじめ問題なんかここから出てくる」。しかし、相変わらず学校は標準化志向。妙な協調性ばかり大事にするから軋みが生じるのだという。
いま「教育非常事態」だという。だからといって学校を護送船団方式で管理すると、はみ出し者はますます居場所を失ってしまう。
(日経新聞11/19朝刊・春秋より)
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