IBMでは、世界の社員、取引先や社員の家族までが参加するオンラインセッション(通称Jam)を開催している。イントラネットを使った大規模なチャットのようなものである。この仕組みの特徴は、地位の高い人や声の大きい人が勝つという通常の会議の力学が働かない。誰が言ったかではなく、何を言ったかがすべてなのだ。Jamから生まれた成果は、参加した人が自分たちで決めたという意識があるから、浸透度が高い。ITを使ったボトムアップの仕組みとして有効に機能している。日本の価値や国のあり方を考える「ジャパンJam」のようなものを実施したらどうだろう。21世紀はボトムアップで物事を考え、世の中を動かす時代なのではないか。
(日本IBM専務・内永ゆか子・日経ビジネス「終わらない話」より)
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