ある親が自分の子供を一流大学に入れようとして、幼稚園のときから色々と苦労を重ねる。子供がやっと望みの大学に入って大喜びしているとき、子供は人生に疲れ果て孤独に耐えられず自殺してしまう。
この親は、子供の幸福を願ってというが、一番根本にあるのは、親の不安である。自分に自信がない。その不安を解消するために、すべての期待を子供にかけたのだ。かくて、子供は自分の個性を親の願望によって破壊されたのである。
自殺にまで追いやらずとも、自分の不安をごまかすために、何らかの破壊を行なっていないか自己点検する必要がある。不安を他に転嫁するのでなく、自分の中にある不安や悪の存在を、しっかりと見つめる義務があると思う。
(縦糸横糸より)
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