「児童虐待防止と回り道」

児童虐待が急増している背景には、科学・技術の発達と共に、人間が実に多くのことを思うがままに効率よくできるようになったことがある。子どもが思うままにならない、あるいは、うるさい。また、上手に育てるとよい子になると考えても、その通りにならないので腹を立てる。あるいは、子どもが少しでも悪いことをすると、自分の育て方が悪いと思い、無用の自責の念が逆転して子どもを憎いと思う。インスタント思考の親は、本当に心が触れ合う人間関係の体験があまりない人が多い。

社会全体で児童虐待を防止するためには、回り道でも人と人とのつながりの楽しさ、面白さを味わう体験を、家族、学校、地域などでもっと増やすことであろう。能率ばかり考えず、手間暇かけてすることにはかけがえのない価値があることを体験することだろう。

「縦糸横糸より」
2006.11.06:反田快舟:[自分を見つめる]

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