「低温発酵する若者たち」

現代の若者は学生運動のようなイデオロギーに頼って一本筋に集団で行動するようなことはしないが、心ある若者は、各人がじっくりと人生の課題に取り組んでいる。これは、高熱で燃え上がるのではなく、「低温発酵している」ように思える。我々も若者や子どもをどうするか、と考える場合も低温発酵で頑張っていかなくてはいけないのではないか。大人が急にエネルギーを結集して、押さえつけようとしても効果は上がらないだろう。一挙に「よい改革」があると張り切るのではなく、むしろ、職種や年齢の違う人などが、もっと実情を明らかにし、それを踏まえて考えるべきではなかろうか。マスコミも、暗いニュースや事件ばかりを取り上げるのではなく、自分の足で相当歩き、「低温発酵」で、しっかり生きている若者の記事を書いてこそ本当の記者と言えるのではないか。結局それは日本の未来をどう考えるかにつながってくるのだから、志を同じくする人がチームを組んで協力し合う体制もできると思う。

(「縦糸横糸」より)
2006.10.30:反田快舟:[仕事の流儀]

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