伝統的な日本人の人間関係は、運命的であり、一蓮托生的である。一度関係ができると一体となって運命を共にすることを理想とする。欧米から個人主義の考えが入ってきて、これまでのベタベタした人間関係が嫌になってきて他人と「関係ができる」のをできるだけ避ける傾向がでてきた。
自分の周囲の人と”深い関係”ができてしまうと面倒である、といって深まらない関係ばかりでは孤独感が強くなってくる。さらに男女のこととなるとさらに難しくなってくる。そこで手軽に出会い系サイトなどについ手が出てしまうのである。しかし、自分自身を守る訓練ができていないために、初対面でもまったく無防備で睡眠薬を飲まされて金品を盗まれるなど、まるでエアポケットのような文化の隙間に落ち込むような事件が生じる。
日本人は、人間関係のあり方、男女関係などについて、今後もっと研究する必要がある。それを怠っているとテクノロジーに人間が潰されてしまうことだろう。
(「縦糸横糸」より)
この記事へのコメントはこちら