「こころの中の脇役」

 自分は自分のこころの中では主役であることはもちろんだが、能に「ワキ」という役があるように、こころの中にも脇役もいることをよく認識し、その力にも頼ってはどうだろうか。

こころの中で、「シテ」のように、思考や感情が自由に動き回っている時、そこに、「ワキ」がいることによって、それらに深みが生じ、変に踏み外すことを防止してくれる。

シテだけをやっていては、行き詰ってしまうとどうにもならなくなってくる。
立元幸治は、著書「こころの出家、中高年の心の危機に」(ちくま新書」で、中高年の危機を乗り切る上で、こころの中での「出家」をしてはどうだろうかと、主張している。

考えてみると、中高年の自殺など、下手な出家ということかもしれない。
それよりも「こころの出家」をすることにより、人生の危機を乗り切り、豊かに生きられるのではないだろうか。

(ココロの止まり木より)
2006.10.26:反田快舟:[自分を見つめる]

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