「あがる」というのは、通常の意識状態と異なる意識の状態である。
だから、思いがけない失敗をしたり、平素の力が出なかったりする。
そこで、「あがる」のを防ごうということになるのだが、はたして、あがらないことはいいことなのだろうか。
そもそも舞台に立ったり、講演するということ自体「普通」でないことをしている。
それを観る観客、聴く聴衆にしても「普通」ではないのではなかろうか。
「あがる」とはその表現どおり、意識が高揚し、普通でない状態になっているのだ。
「あがる」からこそ、名演技や名演奏ができたりする。そして観客も感動する。
「あがりすぎないあがり方」、あるいは、どんなに「あがる」ことがあっても失敗しない人、それができる人がプロではなかろうか。
どれほどあがっても失敗しない、というのは十分な練習によって支えられている。
(ココロの止まり木より)
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