西洋的にいうと、自我の確立は、ものすごく大事なことで、そのためには戦わなければならない。物事をあらわにすると白黒をはっきりしなければならないから、戦わざるをえない。戦って敵を倒すという形で自我を確立してきたのが西洋の精神の歴史です。
ところが東洋的な物語には戦いがない。あらわにしない精神でやっていくのに、なにが必要かというとサファリング(自ら耐えて苦しむこと)です。秘密を抱いて苦しむ。この戦って勝ち取るか、苦しんで何かを得ていくのかの差がある。
いま、西洋では、戦うだけではある種の行き詰まりを感じている時代でもあり、東洋的なものに関心が集まっている。
しかし、日本人の場合は、苦しむのが趣味みたいな人がいて、もうちょっと戦えばいいのに、戦う前から苦しんだりしている人がいる。
(こころの天気図より)
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