「教育バブル」

自分の子どもに対して「教育投資」をすればするだけ、子どもは幸せになると、多くの人は信じているのではなかろうか。
お金のことだけではない。「知識の投資」も大変だ。小さいときからできるだけ早く、できるだけたくさんの知識を子どもにつぎ込んでおくと、
子どもの幸福もそれに比例してふくらむと考える。これは一種の「バブル現象」である。

このようなバブルが、どの年齢ではじけるかは、人によって異なる。ある意味では早くはじけてくれた方がいいかもしれない。
むしろ、どんどん膨らんで、よい高校、よい大学へと進み、よい企業に就職したとたんにはじけることがある。

詰め込まれた知識は社会人としては役に立たない。
これは教育制度の以前の、日本人全体の教育に対する、いや人生に対する根本姿勢の問題である。

(河合隼雄「縦糸横糸」より)

2006.10.14:反田快舟:[仕事の流儀]

この記事へのコメントはこちら

※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。