母親の方はわりと子どもと対話をしていますが、父親はあまりやろうとしない。
なぜそうなってしまうかというと、日本の社会では、父親は組織の中に組み入れられていることが多いからです。
組織に属する人間にとって、最も大事なことは組織を維持していくことです。
だから、ほかの話をすることは推奨されません。
上司に何か命令されたときに、「それよりこんなおもしろい考え方がありますよ」などと言ったりしたら、評価が悪くなってしまいます。
言われたことを、口答えすることなく、迅速に処理していくのが好ましい世界なのです。
そうしたシステムに組み込まれているため、家に帰ってからもそこから抜け出すことができません。
奥さんや子どもが話しかけても上の空で聞いています。
それどころか、そういうのが世の中に役立つ人間だと勘違いし、子どもに対しても、そういう人間になることを望んですらいます。
子どもの話を聞いて一緒に考えるのではなく、自分の考えで子どもをうまく動かそうとしているような気がします。
(父親の力母親の力より)
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