~隈研吾のターニングポイント~ 「負けて勝つの原風景」

今や、建築家・隈研吾の代名詞ともなった「負ける建築家」。
その独創的な建築哲学は、三十代の葛藤の日々から生まれた。

東京大学で建築を学び、24歳で設計の道に入った。
6年後にはアメリカに留学。フィリップ・ジョンソンやフランク・ゲーりーなど、世界をリードする有名建築家と出会い、最先端の建築理論を学んだ。

32歳のときに帰国。理論派の建築家として歩きはじめる。
まもなく大きなチャンスが訪れた。大手自動車メーカーのショールームコンペで、斬新な設計プランで勝ち抜いた。
一面ガラスのハイテク風の建物と、ギリシャ建築を模した廃墟のイメージ。

建物が姿を現すと、厳しい批判の声が聞こえてきた。
「環境を破壊している」「バブルの象徴」。いろいろ考えているけど、金に任せた遊びだ・・・。
隈は厳しい評価に沈み込んだ。

(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No.45より)
2009.04.10:反田快舟:[仕事の流儀]

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