兆しが見えたのは、二ヶ月くらい経ってから。
「内観」(自分が小さかった頃、親にしてもらったこと、してかえしたこと、迷惑をかけたことについて思いだす作業)の時ですね。
すぐには良くならなくても可能性は見えたから、そこでどうにか踏みとどまることができた気がします。
決定的に変わったという実感がわいたのは、運動会の時でしょうか。
クラスの生徒全員が横一列に並んで、自分の足と隣の子の足を結んで一斉に走る種目でした。
うちのクラスが一位になったんです。
ゴールした瞬間、みんなが私の方を向いて「先生、うれしい? うれしい?」って聞くんです。
その後も色々ありましたが、最終的には、とても居心地のいいクラスになりました。
お互いに自分を語っても受け入れてもらえるという体験を、積んできたからでしょう。
「言っても大丈夫。受け入れてくれる人がいる」「人が言ったことを私も受け入れる」というキャッチボールを、どの子もできるようになりました。
By鹿嶋真弓
(プロフェッショナル仕事の流儀15 File No.44より)
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