2年をかけて丁寧に落ち葉を取り除くと、遠州の石組が姿を現した。
その調和のとれた美しさに圧倒された。
遠州の技術を自分のものにしたいと強烈に思った。
遠州に関する古文書を探し出し、必死に読んだ。
そして、修復にとりかかった。
ようやく納得のいく庭ができたときには、10年の歳月が流れていた。
いにしえの姿を取り戻した遠州の庭。
それはただ淡々と自然に溶け込んでいる簡素な庭だった。
声高に主張していないのに、遠州らしさが匂い立つ。
北山は、そこに庭師の極意を見た。
~己を抑えてこそ、心は伝わる~
(プロフェッショナル仕事の流儀14 File No.40より)
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